スーパーの業務改善入門

2013年02月10日

『超鮮度宣言』の疑問

売場で『超鮮度宣言』というPOPを見かけることがあります。結構大きいサイズのものもあります。
でも、ここで少し気にかかることがあります。
それは、その言葉の持つ意味と、実際の売場づくりや商品が、かみ合っていない状態が圧倒的に多いということです。
AL地場野菜
写真:サミットリテイリングセンターが推進する、
クライアントの高鮮度の提供のコンセプトに沿った売場

2/1にカットした大根を、ラップもせずに裸で陳列していたり、普通に市場から仕入れたキュウリ(何時収穫されたかわからないもの)の超鮮度宣言POPの掲示、3円、5円、10円、10%、20%と値引きシールを何枚も貼り重ねられた商品であったり、極めつけは、使い古した鮮度感の無い汚いPOP用紙。などです。

コンセプトを持たない行動

一番の原因は、表面的なノウハウだけをを覚えて、真の『コンセプト』を持たない(理解してない)ことにあると思います。

結果的に、
1.言葉の持つ意味を理解しない、無駄な行動になってしまっている
2.やっている行動が自己満足で、真にお客様のためにはなっていない
3.無駄なオペレーション・コストを生んでしまっている
など、間違った行動とコストにつながってしまっているように思います。


目指すべき正しい行動

本来、鮮度というものは、お客様が体感することです。また、そのために、売る側が努力する一連の販売行動へとつながるものです。


生産者が、早朝の4時、5時に収穫したキュウリを、即日、店舗の開店時間前後に届け、売場に陳列販売するという様な事を指すのではないでしょうか。
表面のとげが立っていて、触ると痛い。キュウリの先には、枯れた花が付いている。
このような商品を、お客様が買える状態に、販売者が仕組みとして作り上げることではないでしょうか。

『超鮮度宣言』と書かれた大きなPOPを掲示し、何時収穫され、何時市場の競りにかけられたかハッキリしないようなものを超鮮度というでしょうか。私は、違うと思います。

また、一部では、生鮮品や牛乳などを3円、5円と値引きして、超鮮度と言っている店舗も目にします。これも、本当にそうなのでしょうか?
値引きシールが3重、4重と貼り重なれている状態。それがあちこちに沢山あります。

言葉だけが踊っていて、販売側の無駄なコストだけが積み上げられています。結果として、そのコストは、売価に反映されます。お客様が負担することになります。
これでは、『何を・・・』『何のために・・・』やっているのかが見えなくなってしまいます。

私たちの仕事は、
お客様に少しでも新鮮で、質の良い物を、1円でも安くお届けするということが『仕事の基本』なのです。

言葉(目先の戦術)に踊らされて、真のお客様の満足から離れてしまう行動にならない様に今一度現場を点検して頂きたいものです。

念のために申しあげておきますが、『超鮮度宣言』などをすべて否定しているわけではありません。
お客様のために日々、質の良い物、鮮度の良い物をお届けするために努力している方々は多くいらっしゃいます。これからも、大いに頑張って頂きたいと思います。

言いたいのは、「本当にお客様のためになっているか?」ということです。


 真の対策は・・・

大根のカット品は、袋やラップで包装して、品質管理上の乾燥防止や衛生管理上、切り口が人の手に触れないようにしなくてはいけません。

牛乳は、お客様の支持の高い売れ筋は、翌日10円引きで売れてしまいます。棚の上の品揃え品は、3日目に20%~30%引き、それが、翌日残っていれば30%~50%引きにすれば、ほとんど無くなります。当然、合わせて、発注(陳列)量を修正していきます。
牛乳・値引き
写真:牛乳の値引き、入荷2日目に10円引き

ちなみに、私のクライアントには、この方法で管理してもらっていますが、荒利益率も高位に維持してもらっています。
そして、何より、オペレーション・コストは、大幅に低減できます。

汚れていて、鮮度感のないPOPは、論外です。5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾(習慣化)の基本です。お客様をお迎えする。お客様をおもてなしするための基本です。


 厳しい環境だから、無駄が出来ない

全国どこでも、競争が厳しい状態です。スーパーマーケット同士とは、限らなくなってきています。
コンビニエンスストアやドラッグストア、ネット・スーパーもあります。宅配サービスもあります。
そして、従業員の労働環境。特に労働時間の問題も大きくなってきています。スーパーマーケットを取り巻く環境がこのほんの数年で、大きく変わってきています。

この様な環境の中では、確かなコンセプトを持った、お客様目線の行動が求められます。
そして、そのための正しい行動が、結果的にムダを少なくして、働く側の環境改善にもつながってきます。

目先の戦術に踊らされることなく、「お客様は、どっちが良いの?」と常々自分に問いただして行動することをお勧めします。

コンセプトを持った、真の『超鮮度・提供』に、これからも工夫し、時間を投入し、日々の業務励んでいただけたらと思います。

何か、ご意見や、ご感想、ご質問など頂けたら嬉しく思います。
よろしくお願いします。


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■鮮度は、誰がチェックするのか ⇒www.summit-rc.com/blog/improvement/201/
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