スーパーの業務改善入門

2008年06月06日

レジ部門の改善(2)

レジの釣り銭金額を増やして、両替回数を減らす


あなたのお店の開店時(ピーク前)の釣り銭金額は、いくらでしょうか。

 ・ピークの一番忙しい時間帯で、
 ・サービスレベルを下げたくない時間帯に
 ・両替(作業)が頻繁に起こっていないでしょうか。
 ・また、それを当たり前と思っていないでしょうか。

レジの釣り銭は、各社(各店)様々です。一企業においても、現場任せというところも多くあります。
現場に任せているということが、決して悪いわけではないと考えますが、何の根拠もなく、「何年も前から、この金額」というのでは、あまりにも程度が低すぎます。

ピークタイム、レジやサービスカウンター周りのサービスレベルを一番ベストな状態に保つためにも、改善の余地がないか確認してください。


両替回数を減らす⁉


両替回数を減らす主な目的は、

 1.レジ周りのサービスレベルの低下を防ぐ
 2.両替に関わる人員の作業工数削減(人時削減)
 3.両替回数を減らして、盗難などの事故を防止する

などです。

釣り銭金額を増やし、金種の見直しをはかれば、確実に両替回数は減らせます。

実際店舗では、レジ1台当たりの釣り銭金額が、10万円前後という店舗もたまにあります。
コンビニエンス・ストア程度の売上であれば理解できますが、1日の売上が300万円とか400万円とか、またそれ以上になってくると、お店が開店してすぐに両替が必要になってしまうでしょう。

釣り銭金額の設定が適切でない場合、両替に費やす人時は、月間・年間で相当なものになります。


釣り銭金額設定の目安


極端な事例は別にして、各企業の1台あたりの釣り銭金額は、おおむね15万円から25万円程度が多いように思います。 

釣り銭金額設定のひとつの目安としては、特別に売上が高くない日でしたら、
「午前のピークを両替無しで乗り切れる」
ということを目安にすると良いでしょう。また、特売日や週末などの通常より売り上げの高い日は、増額することを考えればより効果的です。

具体的には、売上規模にもよりますが、20万円から30万円程度が妥当だと考えます。一旦設定して、後は状況を確認し、特に回転の速い5千円札や100円、500円などの金種を増額して、徐々に変更し、決定すればよいでしょう。

また、平日と繁忙日の2から3パターンに分けて設定するのも効果的です。


釣り銭金額を増やすデメリット


釣り銭増額にもデメリットはあると考えます。

主には、

 1.全体としての釣り銭金額が増え、それだけの釣り銭用現金が必要になる
 2.開店時のレジ内の現金有り高が増え、保安の問題がある

などが考えられます。

1の課題については、釣り銭としての現金は確かに増えますが、店舗の必要現金額(釣り銭準備金)が増えるわけではありません。あくまでも、店舗内の現金有り高のうち、開店時に金庫内の現金が減り、レジに投入する現金(釣り銭)が増えるだけです。

2の課題については、タイミングの問題で、ピーク時間には自ずとレジの現金有り高は、増えますし、その日の来店客数や販促企画で金額も変わってきますので、特に問題ではないと考えます。
それよりも、両替回数を減らす効果のほうがはるかに大きいと思います。


自動釣り銭機の効果的活用


各企業において、自動つり銭機の導入が進んでいます。レジの現金過不足の軽減や作業軽減が主な目的であると思いますが、この釣り銭機を店内の夜間金庫代わりに活用すると、大きな作業工数削減になります。

内容としては、

 1.1万円と過剰な金種以外は、釣り銭機で保管する(夜間、閉店時)
 2.釣り銭機の現金は、レポートで管理する
 3.点検作業は、引き上げた現金と釣り銭機のレポートで確認する

このような管理をすると、点検作業も軽減できますし、現金管理作業も楽になります。

あなたのお店の、お金の管理に関する作業を今一度、全般的に観察して、見直してみてください。思わぬ大きな効果が出るかも知れません。



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