スーパーの業務改善入門

2008年09月04日

レジ部門への応援体制の確立

現場で、「人が足りない」というのは、全国的に共通する現場の叫びであるように思います。

特にレジ部門では、悲痛の叫びとして聞こえてきます。
しかし、本当に人員は足りないのでしょうか。前回この記事で紹介した、レジの人件費を大幅に削減した店舗でも、現場では同じような声が上がっていました。レジには、5人6人とお客様が行列を作り、チラシの初日ともなれば、10人以上並ぶことも頻繁に起こっていました。

ところが、そのお店でも、ピーク前やピーク後の閑散時間には、お客様の数の割には、レジの担当者の数が多く、手持ち無沙汰にボーッと立っている状態がよくありました。スーパーマーケットでは、よく見る光景です。

人員が足りないのは事実ですが、正確に言うと、「時間帯によっては、人員が不足している」、また、「時間帯によっては、人員が過剰である」ということです。


レジ担当者の人員不足解消策


レジの稼働台数は、直近の曜日別・時間帯別の売上や来店客数から必要稼働台数を割り出します。(お金を使わず、レジの人件費大幅削減を参照)

しかし、ここで問題が発生します。必要台数に対して、人員が不足する場合です。
日頃から、レジチーフが部門のメンバーとコミュニケーションを密にとり、チームワークが良いチームでも、人員不足は、時として発生してしまいます。

しかし、これは、特別な日によっては、朝、夕、夜間のピーク時間帯によっては、ということです。開店から閉店まですべての時間帯がそうであるわけではないのです。ここのところが重要なポイントです。

このような人員不足の状態が頻繁に発生する場合、どういう対策を行なえばよいでしょうか。

対策としては、以下のようなことが考えられます。
  1.不足人員の補いのために、新規に社員募集をかける
  2.他の部門による、応援体制を組む
  3.特に対応しない

1のケースは、慢性的に長い時間帯において、人員が不足している場合は、当然取るべき行動でしょう。
しかし、必要な時間帯が「30分や1時間程度と短ければ」、また、「曜日によっては」というレベルならば、新しい人員を増やした場合、その分閑散時間帯の人時過剰が発生し、無駄な人件費が発生してしまいます。

基本的には、2のケースが得策でしょう。
30分から1時間程度のことであれば、他部門からの応援で対応すれば、ほとんどの場合、問題は解決します。

3の場合は、論外です。観て見ぬふりをして、一時的にはそれですむでしょうが、頻繁にレジが込むようだと、お客様が他のお店を選びます。お客様の数が減り、レジの混雑は解消されますが、今度は、お店がなくなります。


10分の応援が大きな効果と生産性をアップする


30分や1時間応援をしなければならないのは、特売日や慢性的に人員が不足している店舗でしょう。大抵の場合、10分から20分程度の応援で、レジに並ぶお客様の列は、解消されます。

お客様のフラストレーションが解消されると同時に、レジ担当者の負担も大きく低下します。また、白衣など着用した、レジ以外の従業員の姿を見て、お客様は、「動作は、決して速くないけれど、一生懸命やっている」その姿を見て、不満も和らげられることでしょう。

具体的には、レジへの他部門からの応援者は、必ずしも1人でレジを操作する必要はありません。
スキャナーでスキャニング(登録)の操作を行い、金銭授受はレジ担当者に任せる、2人制のオペレーションで良いのです。1人で操作できれば、それに越したことはありませんが、2人制で大きな効果が期待できます。

お客様中心に考えた、一寸した現場の工夫が、お客様からの好感を生みます。

これは、レジだけに限らず、開店準備の生鮮部門などの時は、逆のパターンも考えられます。部門の垣根を取り払った、「お客様最適化」の改善が現場には求められます。


お客様や社員に対する「思いやりの仕組み」を作ることがなにより大切


店長やレジ・チーフは、現場を良く観察し、最善の判断とスピーディーな対応をしましょう。

ここで言う最善とは、「お客様最適化」を最優先するということです。そしてそれは、店長から見た場合、「社員最適化」でもあります。
お客様に気持ちよくお買い物をしていただく。そのためには、社員皆で協力して、お客様に対応するということです。

コスト・ゼロで出来ることは沢山あると思います。
店長を中心とした、現場を良く観察して「お客様最適化」の改善を期待します。このことが、リーダーシップです。



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