スーパーマーケットの業務改善事例(その他)

2016年03月23日

高級スーパーが抱える問題点と3つの解決方法

基本情報

■プラン
業務改善全般

高級スーパー

1個数千円の果物、こだわり国産牛などが並ぶ高級スーパー。普通のスーパーからすれば、さぞかし利益を上げているのだろうと思われがちですが、高級スーパーには高級スーパーなりの苦悩があるのです。今回は、そんな高級スーパーが抱える問題点とその解決策、ご説明してまいります。

 

高級スーパー、高品質ゆえの3つの問題点

  1.   要求のレベルが高いお客様をいかに満足させるか。
  2.   高い管理コストをいかに下げるか。
  3.  競合店が少ない中、どうやって学び続けて行くか。

1つ目の問題は「要求のレベルの高いお客様をいかに満足させるか」です。高級スーパーのお客様は、総じて文化水準が高く、商品知識も豊富です。そんなお客様に商品を提案するためには、スーパー側にそれを上回る商品知識や教養が求められます。

例えば、ある高級スーパーではお客様の高い要求レベルに応える為に、毎朝すべての生鮮食品を棚から外して、目視で商品を1つ1つチェックしています。この確認作業だけで1時間はかかります。このように、高級スーパーではお客様の高い要求に応える為に絶え間ない努力が行われています。高級スーパーではお客様を満足させる高いレベルでの商品作りや衛生管理が常に求められます。

 

2つ目の問題点は「高い管理コストをいかに下げるか」です。高級スーパーは、普通のスーパーからすると予想外のコストがかかります。品質を担保しようとすればするほど、削減できない管理コストが発生します。

例えば、産地訪問です。普通のスーパーであれば、メーカー側からスーパーを訪問することが一般的です。しかし、高級スーパーの取引先は老舗メーカーが多く、待っていてもスーパーに来てはくれません。スーパーから産地に直接赴き、担当者と挨拶を交わし、産地の状況を直接確認しなければいけません。

また、ある高級スーパーでは、直輸入のパスタを仕入れたところ、くもの巣がはっていたというトラブルがありました。自然乾燥を徹底したこだわりのパスタだからこそ起きた、普通の工場生産のパスタでは考えられないトラブルです。このように、高級スーパーだからこそかかる、高い管理コストをいかに下げるかも、高級スーパーにとって大きな課題です。

 

3つ目の問題点は、「競合店が少ない中で、どうやって学び続けて行くのか」です。先ほども申し上げたように、お客様の求める高いレベルに高級スーパーが応え続けるには、絶え間ない勉強が必要です。

しかし、普通のスーパーと違って、競合が少ない分、見本にする店舗が少ないことも高級スーパーの悩みのひとつです。横のつながりがない中で、いかに上を目指して、商品知識やノウハウを向上させて行くかが、重要な課題になります。

 

高級スーパーの売上を上げる3つの実例

サミットリテイリングセンターがコンサルティングした高級スーパーで、実際に売り上げを上げた施策を3つご紹介します。

  1.  季節商品を定番商品にする
  2.  物流の流れを見直す
  3.  鮮度の良いうちに商品化する

1つ目の売上を上げる解決策は、季節商品を定番商品にすることです。季節商品の中には通年で販売できるものがあります。しかし、その時期しか売れないという思い込みから、商品のPRを十分にしていないケースが多く見受けられます。

本当にお客様にとって価値がある「良い商品」は売り場展開の見直しやPOPでの販促、試食などを通して、その良さをお客様に伝えましょう。積極的な販促を通して、季節商品が定番化すれば、強力な武器となります。

 

2つ目の解決策は、物流の流れを見直すことです。高級スーパーが売上を上げる為には、普通のスーパー以上に作業の生産性を高めることが重要です。高級スーパーでは接客にかかるコストを下げることは難しく、お客様の見えないところでいかにオペレーションを簡略化するかが、大切になります。

そのために、物流の流れをまず見直しましょう。弊社がコンサルティングに入る前、あるスーパーでは、地下にある倉庫にすべての商品を一旦運び込んでいました。そこで、商品が届いた段階で、売り場に出す商品と倉庫に運びいれる商品を仕分けたところ、物流の流れが格段によくなりました。慣れ親しんだやり方だけではなく、新しいやり方に変える勇気も求められます。

 

3つ目の解決策は、鮮度の良いうちに商品化することです。高級スーパーの商品は鮮度管理が厳しくなされています。普通のスーパーであれば、一般に売られている商品も高級スーパーでは、見切り品として販売されるケースも少なくありません。そこで、鮮度の良い商品は鮮度の良い状態で速やかに商品化することが求められます。

心構えとしては、生鮮はその日に徹底的に売り切る覚悟が必要です。お刺身やお寿司、てんぷらなど多品目に加工して、売り切りましょう。ある高級スーパーでは店長自らお寿司を握るなど商品化に関わり、鮮度の担保を行っていました。

 

お客様に価値を感じていただける売り場作りを

高級スーパーの抱える問題点とその解決策を述べてきましたが、普通のスーパーであっても高級スーパーであっても原理原則は変わりません。

「お客様にいかに満足していただくか」が最も大切な価値観です。付加価値を購買の判断軸とするお客様をターゲットとした高級スーパーの場合は単価を上げることはさほど難しいことではありません。高級スーパー独自の問題点と向き合いつつ、今いるお客様を大切に営業していただければと思います。

 

高級スーパーでの業務改善の実績も多数ございます。スーパーのコンサルティングなら、サミットリテイリングセンターまでお気軽にお問い合わせくださいませ。

生産性向上セミナー