スーパーの業務改善入門

2016年02月23日

人手不足ではない! 生産性が低く過ぎる!

新聞やテレビのニュース記事の中に、『人手不足』の文字をよく見かけます。

実際、訪問先のオーナーや経営幹部から、「人手不足が深刻化している」という声も聞きます。
景気回復に伴い、有効求人倍率が高まっています。供給側である労働者は、より労働条件の良い会社や業種を選択し、そちらへ流れることになります。
しかし、実際、スーパーマーケットの現場では、「人手が、本当に不足している?」のでしょうか。
そして、その解決策は無いものでしょうか。


生産性に対する概念が薄い


「売上が低迷している・・・」
「粗利益率が低い・・・」
という様な声は、スーパーマーケットの現場でよく聞きますが、
「生産性が低い・・・」
という、意見はあまり聞きません。

単純なことですが、これでは、生産性は上がるはずがありません。
目標、目的がないことは、達成されません。
生産性を向上させることは、人・物・金の投資対効果を上げることでもあります。

ベースには、お金や時間をムダに使わないということがあります。
特に、時間は、すべての企業に対して、平等にあります。企業規模の大小なども関係ありません。
ですから、生産性で、小さい会社が大きい会社に勝つことも出来るのです。

例えば、社内に、人時売上高や人時生産性の数値が存在していない中小零細企業が、少なくありません。
営業経費でダントツに高いのが人件費なのに、です。

現実、売上高が同じぐらいの会社で、人時売上高が、1~2割程度の差は、ザラにあります。部門別では、顕著に現れます。
これは、1人時当たりにおいて、1~2割の売上高の差があるということです。
解りやすく言うと、100万円を売り上げるのに、
A社は、50人時で達成し、B社は、60人時で達成するという様な差のことです。
ここに、人手不足に対する解決のヒントが隠れています。

YK調理技術 YK刺身
写真:高度の技術とスピードで刺身を作りあげるパート社員(左)とその商品(右)


生産性をアップする『オペレーション』


『作業』と、それを効率的に遂行するための『仕組み』がオペレーションです。この善し悪しが、会社全体の生産性を大きく左右します。

そして、会社のコンセプトやルールの中で、目指す目標とゴールに到達するために、日々の現場のオペレーションがあるのです。
ところが、このことの教育と訓練、そして、改善活動が計画的になされている会社は少ないと思います。
作業の進め方が悪い、生産性を低下させる仕組みになっている。などということは、現場で山ほど存在します。

ザックリと分けて、作業は、二つに分けられます。
一つは、単純・作業です。
これは、『量的』に生産性をアップさせることを念頭に置きます。
そして、二つ目は、
付加価値・作業(業務)です。こちらは、『質的』に生産性をアップさることを念頭に置きます。
ここのところの正しい理解は、重要です。
作業の種類によって、また、会社のコンセプトによって、アウトプット(得られる価値)は、『量』と『質』とに分かれます。
「効率をアップさせれば、売り場の質が低下する」という意見は、ここの理解がされていない方の意見です。全くの勉強不足です。

ちなみに、私のコンサルティングの現場では、量的作業の人時が1、2割程度削減出来たと言う事例は、幾らでもあります。


生産性をアップする『リーダーシップ』


リーダーの重要な仕事の一つは、与えられた人時でどれだけのアウトプット(価値生産)が創出することが出来るかということがあります。

上記のオペレーションについて、現場のフォローや改善提案を行い、時間の経過とともに、チーム全体としての生産性とチーム力を向上させることが、リーダーの重要な仕事です。

当然のことですが、単純作業の処理で、手持ち時間を消耗し、主体業務を遂行できないという事実がある場合は、早急の改善をすべきです。
念のためですが、威圧的なワンマン経営は、リーダーシップではありません。部下のやる気を引き出すのが、真のリーダーシップです。

「やれることを遣る」というのでは、主体的に働いているとは言えません。
「やるべきことを遣る」ということが、真のリーダーの行動であり、それがリーダーシップです。


生産性を高める、『戦略』


戦略(目的と目標の明確化)とオペレーション(作業と仕組み)とリーダーシップ(主体的に動く)が少しずつ噛み合っていくことで、チームの生産性は、飛躍的に向上することになります。

地域のお客様に向き合った、「地域のお客様の生活を豊かにする」ための提案を行う。
その為には、それを、日々具体的に行うための明確な『戦略』の設定が必要です。
売る側の都合の無理押しや、目先の売り上げを追っているだけでは、お客の継続的な支持は得られません。
日増しに高度化する「お客目線」をどこまで理解して、また、深堀して、日々の提案にして、販売活動に繋げていけるかが、無駄が少なく効率的で、生産性を向上させることになります。


生産性を高める、『目標設定』


戦略が設定できれば、定性、定量の目標設定をしなければいけません。

定性目標は、売り場のあるべき状態や、個人のスキルアップなど、数値で表しにくい内容になります。
   一方、定量目標は、人時売上高や在庫適正値(単純な棚卸高では無い)など、数値で管理できるものです。
ここで重要なことは、あくまでも、お客と従業員を中心に考えた、目標設定です。
サービス低下や労働劣化に繋がるような、現場を見ない、単純な目標設定をしてはいけません。

そして、もう一つ押さえておきたい、ポイントがあります。
それは、目標とゴールの理解です。

目標は、1ケ月、3ケ月、半年という様に、短期の目指す実現可能なことです。
ゴールは、2年3年、5年といった、戦略実現のための高い目標で、その着地点のことです。目標は、ゴールに到達するためのプロセス管理ということが出来ます。


生産性をアップする、『時間管理』


すべての人と企業に平等に与えられた資産が時間です。

前述したように、戦略と目標設定に向かって、どの様に日々活動するかということと、もう一つ重要な視点として、重要なことがあります。
それは、業務の優先順位です。
個人として、リーダーとして、決めせれた時間の中で、「どのような内容の仕事を日々行っているか」ということは、生産性を上げるために非常に重要な要素です。

例えば、個人個人のスキルアップ計画です。目標に向かって、毎日、週に一回という様に、スケジュールの中に、確実にその時間が割り当てられていれば、ほとんど例外なく、目標は達成されるでしょう。
リーダーの場合は、目標やゴールに『直接関係する業務』をする時間ということになります。

目標やゴールに向かって、確実に時間を計画的に設定して、日々使っていれば問題ありません。お客様対応や事故など、緊急を要することが発生して、一時的に計画が少し変更されることはあると思います。が、それは全く問題ありません。
重要度の高い業務に対して、1ヶ月、半年という単位の中で、確実にその時間が割り当てられて実行されていれば良いのです。


ビジネスの目的と取るべき行動


ビジネスの目的は、言うまでもありません。
会社が適正な利益を出し続けて、継続発展することです。

その為には、地域のお客様の支持を得ること、そして、従業員の生活を豊かにすることです。
ですから、生産性を確実に向上させることが、経営の基盤として絶対的に必要なのです。

会社は、適正な利益を出すことが出来れば、
・『お客様の満足』のための商品開発や品揃えの充実、そして、サービスの向上
・『従業員満足』のためのスキルアップ、報酬アップのための教育訓練や、作業環境の改善
などの実現に向けた戦略的投資が、可能となります。
逆に、利益が出ていなければ、これらのことを実行することが難しいと言えます。

しかし、作業、特に現場の単純作業は、殆どお金を掛けることなく、ある程度のレベルまでは、改善活動を行うことが出来、それなりの効果を出すことが出来ます。
今までのやり方を少し変えるだけで、本質的な人手不足は解消でるかもしれません。今一度、現場のオペレーションを確認してください。大きなヒントが隠れているかもしれません。

私のクライアントの業務改善の現場では、人手不足ではない場合がほとんどです。
『考え方』、そして、『やり方』が、間違っている場合のです。



もし、あなたの会社が、スピードを持って、そして、大きな改善効果を実現したければ、是非、サミットリテイリングセンターへご相談くだい。実地調査だけでも、改善のための大きなアイデアを提供できるものと思います。


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■人手不足ではない! リーダーシップが不足している! ⇒http://mbp-osaka.com/summit-rc/column/27894/

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