スーパーの経営戦略入門

2007年07月30日

戦略のない会社(2)

社長室や事務所に、会社の『経営理念』や『社是』・『社訓』が立派な額に納められ、壁に吊られている光景をよく見ます。

時々、訪問した会社の社員の方に、「御社の経営理念を教えてください」と尋ねてみると、即答できない場合が非常に多くあります。ひどい場合、経営層の方でもそれがあります。

この様な場合、立派な額に納められた経営理念は、インテリアの一部なのです。おそらく作成するのに、かなりの時間と費用を費やしているのでしょうが、額に収まることでゴールを迎えてしまっています。

本来経営理念は、会社の経営活動(行動)の指針であり、正しい行動の道標です。目先の利益のために商道徳に違反する行動を戒め、会社の発展という長期の視点で行動に当たるためのものです。
同じように、ビジョンや戦略が見えない(無い)会社(本部)が非常に多くあるように思います。ここで言う、ビジョンや戦略とは、巷によくあるエクセルやワードを使って作成した、体裁や数字遊びの論文のことを言っているのではありません。本部も店舗も、小手先の改善を考えている場合があまりにも多いように思います。当然、なかなか結果は得られません。


何が目的で、何が目標か?理解していない会社


「会社の目的は何ですか」と聞くと、なかなか返事が返ってきません。

目的もはっきりしないまま、日々仕事をしているのです。そして、帰ってくる答えの多くは、「利益」です。
会社の目的は、『継続と発展(成長)』です。そして、そのための絶対条件(目標)が、継続的な利益の確保です。
会社の使命は、『社会への貢献』です。店舗を通じて、『正しい商品をお客様にお届けする』ということ。『適正な利益を出す』ことによる納税、そして、『社員の雇用』です。このような根本的なことが、理解されていなかったり、誤った理解をしていると、日々の活動や行動が間違ってしまいます。


売り場(現場)を観察しよう


業務改善は、『目的』ではありません。上記のことを効率的、効果的に達成するための日々の活動(行動)の事です。このことをよく理解しなければいけません。

今日からでも実践し、効果を出せることが現場には沢山あります。先ず、『お客様の立場に立って』現場を細かく観察することです。必要なのは、改善への素直で前向きな理解とスタート、そしてスピードです。


考え方、行動の基本を見直す


私たちの仕事は、『より上質でお値打ちな商品やサービスに、情報を付加してお届けする』ことです。

例えば、野菜売り場のレタスについて考えてみましょう。
畑で採れたてのレタスを、出来るだけ新鮮な状態を保ち、如何に早くお客様にお渡しできるか。そして、レタス栽培に対する生産者のこだわりなどをお客様にお伝えすると共に、レタスの美味しい食べ方、例えばスープやチャーハン、お鍋料理など新しい使い方や食べ方の提案、保存方法などの情報を商品にお付けしてお渡しすることです。
お客様は、頭と口そして胃袋で、レタスの美味しさを楽しむことが出来るでしょう。

スーパーマーケットであれば、『お客様の食生活を豊かにする』というコンセプトをもって、売り場作りを行なってみてはいかがでしょう。
きっと今までの、ルーティンワークや処理作業としての日々の行動が変わってくるはずです。



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