スーパーの営業戦略入門

2010年12月13日

クリスマスのカットフルーツの売上高は何位ですか

皆さんのお店でカットフルーツは、どのような位置づけでしようか?

私のクライアント企業の中で、果物の売上高の2位~3位の会社が数社あります。

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クリスマスのカットフルーツ売り場

勿論、クリスマスなど特別なイベントの時に限った事ではありますが、数年前では、考えられなかったことです。
平日でも、確実に上位にランクアップしています。


クリスマスの果物の売上高1位は、ダントツで苺ですが、ここ数年2位~3位の順位に、カットフルーツが顔を見せるようになってきました。
そして、これは歳末でも同じようなことが起こっています。

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そして、この事例とは対照的に、全くと言っていいほどカットフルーツの売上が無い(販売していない)店も、まだまだ多く見かけます。


手間も掛かるし、衛生管理にも気を遣わなくてはいけません。
販売する側にとっては、どうしても手間(デメリット)の方を先に考えてしまいます。
しかし、
「美味しい果物を食べたい」
「調理する手間を掛けたくない」
「ゴミの処理作業がイヤ」
「食べ切れる量だけほしい」
など
確実にお客様のニーズは存在し、日々高まって来ています。


私は、カットフルーツが、今のスーパーマーケットが抱える課題を最もよく表している事例の一つのように思います。


高まる競争


競合状況が深刻になり、価格戦略、チラシ合戦など多くの地域で、凄まじい競争が繰り広げられています。

ドラッグストアやコンビニエンスストアなど、スーパーマーケットと異業態の店舗でも、調味料やお菓子、日配品などの加工食品を安価で販売しています。

これに対して、スーパーマーケットが単なる価格競争をやっていては、営業利益は残せません。


スーパーマーケットが、戦略上一番に考えなければならないのは、食品スーパー(スーパーマーケット)としての根幹の部分、つまり、生鮮食品の強化が一番の対抗策で有ることを良く理解する必要があります。

その中でも特に、野菜や鮮魚などの基幹部門の出来が大きなポイントであり、刺し身や惣菜、寿司、カットフルーツなどように、より付加価値の高い商品の商品化と提供、
そして、その品質、鮮度、味などが圧倒的な差別化
になることは、言うまでもありません。

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価格対応など安易な対抗策だけをとるのではなく、売り場の付加価値、
つまり、
お客様が、「有ったらいいな」
「嬉しいな、楽しいな」

思って(感じて)頂ける商品やサービスの提供が、お客様の高い支持に繋がります。
単なる価格対策ではいけません。

価格は、あくまでも、お客様の購買決定要素の一つの要素であり、安易な価格対応は、また、価格で競合店に顧客を取られてしまいます。


価格対応とお客様の視点


売る側は、
「手間を掛けたくない」
「手間を掛ければ売上は上がるが、儲けには繋げにくい」
「他にやらなければならないことがある」
などと考えてしまいがちですが、何かの行動を起こさなければ、ジリ貧になり売上高アップには繋がりません。

マーケティングの視点(お客様の視点)から考えれば、
顧客の問題解決に利益の元が有るのです。

「美味しい果物を食べたい」
「調理する手間を掛けたくない」
「ゴミの処理作業がイヤ」
「食べ切れる量だけほしい」
という『お客様の声』、ここに売上と大きな利益が隠れています。


ニーズとスキルアップと生産性の向上


そしてまた、そのための技術の習得が、社員の能力と報酬のアップに繋がります。
買う側、売る側双方にベネフィット(ご利益)が存在します。

少し難しいことを申し上げれば、この場合、全体としての人時売上高アップは考えにくいのですが、儲け(営業利益)に繋がる、人時生産性がアップすることは十分に可能です。


問題は、
1.そのための技能を身につける必要が有りますし、
2.最低限の設備を備える必要があります。

1の問題は、サミットリテイリングセンターにご用命ください。掛かった費用は、短期で取り戻すことが可能ですし、短期間で、大きな利益を上げることが可能です。


2の問題は、衛生管理も関わる問題であるため慎重に事を進めなければなりません。
しかし、投資額と得られる効果を考えれば、決して大きな問題ではないと考えます。


そして、私の経験から申し上げれば、
何より現場の人たちの仕事に対する「考え方」や「やる気」が大きく違ってくるように思います。


衛生管理面では、青果部門の場合、惣菜や寿司、刺し身のように衛生管理に対する考え方や行動が備わっていない場合が多くあります。
結果的に、店舗全体としての衛生管理、安心安全の心構えと言ったところも向上することは間違いありません。
また、
手間暇かけて、商品の付加価値を上げるというような事についても、同様のことが言えます。


お客様のニーズに対応した新しい商品の品揃えによって、売場の付加価値アップに挑戦し、お客様の潜在ニーズに対応したサービスがお客様の強い支持を受けることになります


是非皆さんの売り場でも挑戦してみてください。

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