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重点商品をいかに店頭プロモーションでお客様にお伝えして売上を伸ばして行くか、それはスーパーにとって非常に重要な課題です。
今回は九州にあるチェーン店での事例を取り上げながら、青果部門での重点商品の店頭プロモーション4つのポイントについて、述べていければと思います。

 店舗によって、売上に差が出た店頭プロモーション

今回のスーパーは九州に3店舗を展開する食品スーパーです。約1年前からコンサルティングしていますが、よく売れる店舗と売れない店舗の差が見え始めてきました。

そこで、このスーパーで店舗間の競争を促す為に、ある提案を致しました。

 

同じ商品でもPI値に1.5倍の差がありました

それは1ヶ月間でどの店舗が重点商品である高価格の人参を売り上げるかという競争です。この人参は非常に糖度が高い人参で品質はとてもいいのですが、販売当初の価格が198円でした。普通の人参と併売されていたために、高い価格を敬遠されて、あまり売上を伸ばせずにいました。

そこで、このこだわりの人参を各店舗がどれぐらい売り上げるかを競争することにしました。来客数などは店舗によってまちまちですので、ＰＩ値（1000人の来客時にいくら売れたか）で比較することにしました。

すると、一番売れた店舗では16.7％、売れなかった店舗では10.5％という結果になりました。

その結果を分析すると、売れたスーパーと売れなかったスーパーの違いは店頭プロモーションにありました。

 

成果を出す店頭プロモーション4つのポイント

高価格の人参を一番売り上げたスーパーでの店頭プロモーションには4つのポイントがありました。

1.     糖度を表記して、こだわりを適切に伝えるＰＯＰ
2.    人参の美味しさを伝える試食販売
3.    豊富なメニュー提案
4.    最小単位（ＳＫＵ：ストックキーピングユニット）での販売

 

1つ目のポイントは、こだわりを適切に伝えるＰＯＰです。今回の人参の場合、それは糖度表記でした。今回の人参の特徴である甘さを、糖度を用いて具体的に伝えることで、普通の人参との差別化をはかりました。（ＰＯＰへの糖度表記は人参に限らず、果物や他の野菜でも大変有効な手段です。）

2つ目のポイントは、試食販売です。試食販売で大切な点は、その商品の美味しさを一番に引き出す調理方法で試食販売を行うことです。今回の人参の特徴は、甘さでした。売上の高かった店舗では、2種類の試食販売を行い食べ（飲み）比べました。シンプルに生のスティックを試食していただく方法と人参ジュースを試飲していただく方法です。人参の美味しさを一番に感じていただける「生での試食」にこだわって試食を展開しました。

3つ目のポイントは、豊富なメニューの提案です。人参の甘さを一番に引き出せる調理方法をご提案しました。例えばサラダやジュースなどです。繁忙日に対面形式で実施しました。具体的な調理方法もご提案することで、購入後の調理方法がイメージできるように工夫しました。

　4つ目のポイントは最小単位での販売です。当初は普通の人参と同じく複数単位で販売していました。しかし、高齢者の方は何本もあっても食べ切れません。また、普通の人参より高いので、お試しで購入したいお客様もいらっしゃいます。その為、通常の袋入りと、お客様がお求め安い1本の最小単位での販売を行いました。

 

お客様に価値を伝える店頭プロモーションを

店頭プロモーションで計画する上で最も大切な視点は「商品のコンセプトをいかに作るか」です。今回の一番売れた店舗のコンセプトは「旬の美味しいものをお客様にお知らせしたい」です。そのコンセプトが伝わる店頭プロモーションに努めた結果、売上に繋がりました。スーパーで重点商品の販促を練る際、商品のコンセプトをまず固めた上で、商品コンセプトに沿った店頭プロモーションを計画していただければと思います。

今回のプロモーションは、既存顧客の客単価を上げる方法です。

売上を上げるためには、１、客数を増やす、２、客単価を増やす、３、来店頻度を増やすという３つのポイントがあります。今回の人参のプロモーションは、主に、２の客単価を増やすことに繋がります。

このように、理論的にも理解をして、目的を持ってプロモーションを行うと、かなりの確率で効果を最大化することになります。そして、一番重要なことは、スタート（実行）を切ることです。何事も、聞いただけで実行しなければ、結果は出ません。

 

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