スーパーマーケットの業務改善事例(その他)

2015年12月14日

スーパーマーケットの売上をあげる部門別損益管理(前編)

基本情報

■プラン
業務改善全般

今回はスーパーマーケットにおける部門別損益管理について、2回にわたってご説明いたします。

部門別損益管理とは

スーパーマーケットオーナーの皆様、スーパーマーケットにおける部門別損益管理の手法をご存知でしょうか。
昨今、多くのスーパーマーケット企業が、店舗別の損益管理を行っています。
しかしながら、部門別損益管理を行っているスーパーマーケットはほとんどありません。また、部門別損益管理が行なっていたとしても、ほとんどのスーパーマーケットで、その中身を正しく理解されていませんし、発表もされていません。

しかし、部門別損益管理が行われていないのであれば、「どの部門が儲かっているのか」「どの部門を建てなおさなければならないのか」がわからず、本来であれば、スーパーマーケットの売り場作りや商品化、そして、経営戦略も効果的に策定することができません。

部門別損益管理で、従業員一人当たりの生産性向上

そこで、弊社がコンサルティングしているスーパーマーケット様では、まず、この部門別損益管理表をつくり、月次決算を行っていただきます。

また、部門別損益管理表に、人時管理(対象部門ごと、期間ごとの総労働時間で管理すること。人時=人×時間)の項目も追加して、人時売上高(売上高÷投入人時)と人時生産性(粗利益高÷投入人時)の算出をはかっていきます。そして、その数字の読み方を経営陣から現場のパート社員へ浸透させていきます。

数字の読み方を理解することで、各部門の責任者が従業員それぞれの生産性を把握できますので、従業員ひとりひとりに適切な指導や作業の見直しができます。その結果、それぞれの従業員が時間を意識して作業することで、全体の生産性が向上します。

部門別損益管理は、スーパーマーケット経営のリトマス紙

部門別損益管理をすることで、個々のスーパーマーケットの得意・不得意がありありと見えてきます。

例えば、弊社のお客様でこんなお店がありました。「部門別損益管理をしてみると、精肉・青果部門は黒字が出ているが、惣菜部門は赤字だった。スーパーマーケット全体がなんとか黒字だったので、今まで惣菜部門の赤字に気がつかなかった。」 つまり、部門別損益管理を実施することで、そのスーパーマーケットの強み(黒字)と、そのスーパーマーケットの弱み(赤字)が見えてくるのです。そして、次に打つべき戦略が明確になってきます。

どの部門に投資すれば費用対効果がいいのか、すでにわかっていますので、あとはそれに沿った方策を打つことが出来ます。

部門別損益管理で、社員のモチベーション向上!

部門別損益管理を行う上で大切なことは、メリットと展望を十分に従業員に説明することです。

部門別損益管理で利益があがれば、その分、教育研修費に費用を回せることや生産性と人事考課を結びつけることなど、「各部門損益管理を行う利点」を丁寧に説明することが重要です。その結果、従業員の意識もあがり、従業員の技術レベルも向上します。

→スーパーマーケットの売上をあげる部門別損益管理(後編)はこちら

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