リサーチレポート

2016年02月14日

ヤオコー・ららぽーと富士見店を視察

2月13日、ららぽーと富士見店を視察させていただきました。

商品戦略部・商品企画担当の大島部長とは、高知県のスーパーマーケット・トレードショーの審査会からのお知り合い。今回も大変お世話になりました。
そして、
ららぽーと富士見店の藤村店長、販売部・所沢地区担当の柳部長、商品戦略部・商品企画担当バイヤーの佐竹さん、皆さんに店舗のご案内を親切にしていただきました。
本当に、ありがとう御座いました。

yk2   YK                       商品戦略部・商品企画担当の大島部長(向かって左)と
                       富士見店の藤村店長(右)

圧倒的な商品力


「どれを食べてみても旨い・・・!」これが、ヤオコーの強みです。

実際、同行した人達と、惣菜やスイーツなど、買って試食してみましたが、皆さんどれも満足されていました。
そして、特に女性達の声として、「非常に、値ごろ感を感じる」という意見が複数聞かれました。
私も、全く同感です。

大島部長から、店内の最終コーナーにある、スイーツ開発のお話をお聞きしましたが、原料や製法はもとより、商品開発に費やした時間や労力は、半端ではありません。
単品の利益などで考えれば、全く割の合うものでは有りません。
しかし、ヤオコーのららぽーと店としての全体最適化ということでは、大きな貢献に繋がっていると思います。

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その他、生鮮品の商品にも目をやると、その技術力は、素晴らしいものがあります。

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売り場を支えるスタッフのレベルの高さ


お邪魔したのが開店前の時間ということで、青果売場側の半開きのシャッターをくぐり抜けて、店内に入りました。

「おはようございま~すッ!」
売り場でも、そして、バックルームでも、従業員のみなさんが、とても明るい元気な挨拶で、私たちを迎えていただきました。

カートを片付ける動作、店内を移動するスピード、どなたを見てもリズミカルに、急ぎ足で作業を進めていきます。
カートを片付ける人も、2台、3台を同時に移動させて片付けています。効率の良さを感じます。

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鮮魚のバックルームは対面方式です。
女性スタッフの方が、イカの細作りを、かなりのスピードで包丁をいれて調理をし、盛り付けていきます。
出来上がった商品も、とても綺麗な素晴らしい出来映えです。

全体的にムダな動きが少なく、見ていても気持ちが良いほどの作業動作です。
他社の開店前の作業風景を見ることは、中々叶わないかもしれません。
視察の時、どうしても、目の前の売場や商品の状態だけを見ている人が多いのではないかと思うのですが、本当に大事なことは、それを完成させるプロセスとオペレーションが、本来観るべき重要なポイントなのです。


バックルームの管理レベルの高さ


バックルームも、在庫商品、清掃用具などの定位置管理、作業動線の確保など、仕組みとして良く管理されています。

週末ということもあって、グロサリー商品の在庫は、多少多い気はしますが、乱雑になっているということでは有りません。
次期の陳列を待つ企画品、定番在庫、一部売場からの引き上げ品と思われるものもありますが、全て整然とロングカートで並べられ、丁寧に管理されています。売場の陳列と一貫性があります。
残念ながら、写真をお見せることは出来ませんが、間違いなく高い管理レベルです。

とは言え、生産効率の高いオペレーションにするための仕組みが、まだまだ有ることも感じました。
特に、戦略的に、付加価値を高める売場やサービスの提供を実現するためには、全体の生産効率のアップは、重要課題であり、切っても切り離せないものです。
そういう点では、まだまだ進化できるヤオコーを観ることも出来ました。


馴れないレイアウト


富士見店の売場レイアウトは、よく話題になることではないでしょうか。

確かに、レジ部分の壁を隔てて、生鮮側とグロサリー側に二分されているレイアウトです。
しかし、平面図で見るとそうなのですが、ワンウェイの店舗として客動線で考えれば、言い訳は立ちます。
実際、アメリカでも、セントラルマーケットなどにも見られることです。

とは言え、確かに店舗を回ってみると、グロサリーの通路とパラペットはカーブを取って工夫をしているのですが、パン売り場からお酒売り場へ曲がるところの通路幅が狭く、人間の心理からすると、「一瞬、行き止まりかな」と感じてしまう気がします。改善の余地ありです。

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特に、ららぽーとの中のヤオコーとして、他の『ヤオコーに無いヤオコー」を創りあげて行く実験店であるのですから、普通のスーパーの概念では理解しにくい部分も大いにあると思います。

曲がり角の通路幅を広く取り、見通しを広くする必要があります。そして、コーナーで、パンやお酒の試食や試飲をしてもらって、「楽しんでもらう」など、自然にお客を誘導するような工夫をすると良いのではないかと思います。

グロサリーの主通路を全体として広く取り、青果部門の売場の様に低い平台で、提案型のプロモーションを仕掛け、徹底して『楽しさを体感してもらう』企画売場を展開する方が良いと思います。

ららぽーとは、RSC(広域型のショッピングセンター)で、NSC(近隣型のショッピングセンター)では有りません。
お客は、非日常、楽しさや新奇性などを求めてくるRSCです。大手流通系のRSCとは違うものです。
    これが、ららぽーとの中のお店です。
例えば、カップラーメンなどは、思い切って絞り込むぐらいの品揃えでも良いのではないでしょうか。


外食をするスーパーマーケット


新谷からの勝手な提言をさせて欲しいと思います。

これまでのスーパーマーケットの概念を捨てて欲しいと思います。
戦略としては、『食事をする、スーパーマーケット』です。
大きくそこに舵を切るべきです。
買い物ではなく、お店で食事をすることに重点を置いた、スーパーということです。
作りたての刺身や寿司、フライやスープ、フルーツやフレッシュジュースなどが、食べたり飲んだり出来るお店です。
味を確かめたお客が、晩ご飯のおかずや材料を買い込む行動にも繋がるでしょう。その為には、フロントエンドとして、気軽に来店して、食べるという行動をとってもらう、コンコース側から見ることのできる、動的イベントなどの仕掛けをすることが効果的でしょう。

遅めの朝食や昼食、おやつや夕食、また、食事をしたお客の夕食材料の買物やお土産など、多くのニーズを掘り起こすことが出来ます。
一人が一日、複数回利用することも十分考えられます。
『ららぽーとを楽しむ』という意味でも、施設全体の付加価値をアップして、お客の滞在時間も伸びることになり、貢献度も高いと思います。


価値創造と顧客創造


このように、ターゲットを考えれば、大きなチャンスが有ります。
ショッピングセンターに来店してくれる潜在顧客が山ほどいます。そして、ららぽーと内で働く人もお客に変わります。
新たな投資をするのではなく、惣菜など「今持っている資産を、そのまま最大限に使う」という点でも、ヤオコーの更なる進化につながります。
当然、その成功事例は、既存店へのフィードバックが可能になって来るでしょう。

グロサリーや青果などの機能的価値を提供している売場で、低回転の部分を縮小して、レジスペースなどの後方や側面を大きく取り、食事をするテーブルスペースに割り当てます。
お客が、楽しそうに食事をしている様子をコンコースから見えるようにすれば、それに釣られて、入店する人が増える事になるでしょう。
今まで、ららぽーとに来ていた、お客の行動を変えることになることになると思います。


現象だけを観てはいけない!


富士見店は、10年後のヤオコーを考えた実験店ということも聞きます。

特に、そういう意味から、長い間、定点観察を続ければ、面白い変化を観ることが出来るのではないでしょうか。

実際に店舗を観るときのポイントは、商品であり、陳列演出、イベント、関連陳列、レイアウト、そして、サービスなど、多くあります。
言うまでもなく、悪いところを探したり、それに解説を加えることはいりません。(解説者でない限り)
完全な時間の無駄です。何のベネフィットも産みません。

重要なことは、商品や陳列方法、サービスなどを 『お客様目線』と『オペレーションの視点』で観ることと、それが、「どうして・・・」「なぜ・・・」と深く考察を加えながら観ることを、強くお薦めします。

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表面だけを見て真似をすることに留まらず、「どうして・・・」「なぜ・・・」から得られた、仮説をもとにして、自店で実験をしてみてください。
その繰り返しが、大きな成果を生み出すことになると思います。

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