イヤ取り

2007年05月30日

牛乳の日付が古い店

牛乳を買おうとしたとき、同じ商品で、日付(賞味期限)の違う物が、3つも4つあるお店がある。気をつけてしっかり日付を見ないと、古い物を買ってしまう。
牛乳やパンなどは、野菜や魚や肉などの生鮮品と同じように、1日でも新しいなものを購入したい。消費者としては、当たり前のことです。うっかり、古いものを通常売価で買ってしまうと、損した気分にさえなってしまう。

間違いだらけのマニュアル

そして、このような店に限って、消味期限の1~3日前ぐらいになって、「○○割引き」というシールを貼るのである。戦後の物の無い時代でもあるまいし、今日、明日の賞味期限の牛乳が半額で、誰が喜んで買うのだろうか。売り場全体の鮮度感も落ちてしまいます。

スーパーには、「先入れ先出し」という言葉がある。新入社員でも知っている。入社したら、先輩社員から最初のほうに教わる用語である。 
要するに、古いものを朝一番に御来店された、『当店のファン』のお客様に、売り付けなさいという決まりのことをいうのである。(笑)
もう少しマニュアルに沿って具体的に説明すると、先ず、朝残っている昨日の売れ残りの牛乳を取り除き、新しい今日入荷の牛乳を、お客様が取りにくいように、奥のほうに詰め込んだのち、売れ残りの牛乳をその手前に陳列しなさいという決まりになっている。そして、お客様の誰かが、このババ抜きのババを抜いてくれるであろうという魂胆のことをいう。

ところが、主婦のお客様は、買い物のプロである。昨日今日入ってきた、お尻の青い、新入社員ごときに、そうやすやすと、騙されたりはしない。
じっくりと腰を曲げ、牛乳の上に刻印している日付を手前と奥で確認。当然のごとく、奥の日付の新しい牛乳を手に取り、買い物籠に入れる。
販売する側と、買う側は、イタチごっこを繰り返している。結果として、同じ牛乳の日付が2日、3日と増えていってしまう。担当者にとっても頭の痛い問題である。

缶詰や醤油など、日持ちの長い商品は、製造日から賞味期限までの期間が長いため、一週間や数十日の日付の違いは、さほど気にならない。しかし、卵や豆腐、牛乳などの商品は、一日でも新しい商品がほしい。

正しい行動で得られる成果


答えは、簡単である。昨日の残りの牛乳は、10円引きの値引きシールを貼ってしまう。同じ牛乳が1日だけ日付が古いだけで、10円引きになっていると、殆んどお客様は、喜んでこれを先に買ってくれる。
要するに、お買い得だと思っていただけるのである。しかし、売る側には10円の損が発生する。だが、あくまでも、粗利益段階の話である。最終に営業利益が部門として残ればいいわけであるから、たいしたマイナスではない。

売る側には、もっもっと大きなメリットがある。

それは、第一に、先入れ先出しの作業が無くなり、全体としての作業時間が大幅に短縮できる。
昨日の売れ残りの牛乳は、値引きシールを貼り、オープンケースの下段であれば、左右どちらかに寄せてしまう。空いたスペースに、今日入荷の牛乳を満タンに詰め込む。作業時間が短縮できる。ということは、他の作業に取り掛かるスタート時間が早まるということである。

第二に、3割引や半額など、無駄な値引きを抑えることが出来る。お客様も、後2~3日しか消味期限まで残っていない牛乳を喜んでは買ってくれない。

第三に、こういう売り場では、遅くても昼ごろには、昨日の売れ残りの牛乳が、全て姿を消す。とてもフレッシュ感のある売り場が維持され、信用へとつながる。

もうお分かり頂けるであろう。目先の損は、わずかながら発生するが、長い目で見ると、信用と信頼という、大きなものを得ることが出来る。結果として、確実に利益につながるのである。

お客様に喜んで頂いて、こちらも楽をする


この牛乳の管理の事例は、商売の原点を実感できる事例である。先ず、お客様ありきである。お客様に、「得した」と思って頂く。そして、こちらも賢く、楽をさせて頂く。売る側の意思改革と、これまでやってきた行動を、少しばかり変えることによって、大きな成果が得られるはずです。

『はじめてのおつかい』というテレビの人気番組がある。小さな子供のお使いに、行かせられない店にならないように気を付けたいものです。


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