スーパーの業務改善入門

2011年07月02日

クライアントの成長が私の使命

私の携帯電話の着信が有り、発信者を確認すると、
私が今年春まで、業務改善のコンサルティングをさせて頂いていた会社の店長からの電話です。

「先生やっと今さっき(前年比)100(%)を達成しました」

「やったねーッ」
「良かったよかった良く頑張った」
「おめでとう」

私は、吉報にとても嬉しく晴々しい気持ちにさせてもらいました。

コンサルティングの契約が終了した後も、わさわざ連絡を頂いて、
そして、何より彼と彼のチームが前年の売上高をみごとクリアしたこと。
「コンサルタントという仕事をしていて良かった」と思う瞬間でした。


私達コンサルタントは、あくまでも黒子。
クライアントが成長して頂いて、成果を出して頂いてなんぼの仕事です。
特に私が行っている業務改善という仕事は、単に目先の売上を上げれば良いと云うものではありません。


この店舗は、
1年半ほどは、基本を徹底して指導させて頂き、考え方や遣り方を少しずつ変えてもらいました。
そして、2年目の後半に攻めに出た店舗です。

指導1年目には、
月間500万円から600万円程度の営業利益を改善して貰っていましたが、売上高は、前年対比を割っていました。

売上高は、数ヶ月前からあと少しの所で前年対比を割っていたそうですが、
やっと今月達成したそうです。

競合状況も厳しく、店舗の立地も競合店舗と比べて決して良いとは言えません。
そして、何より価格で勝負の店舗では有りません。
価格以外の差別化、付加価値で売上を上げる戦略の店舗です。


指導当時、私からの要求は厳しく、
より売り場の付加価値を上げること。
より生産性をアップし余分なコストを下げること。
そして、営業利益を昨年の最低2倍以上にすることでした。


差別化ということで、一例をご紹介します。
近くに小さな漁港があり、そこから新鮮な魚を調達出来ます。
私は、その魚を使った地場の刺身や寿司、惣菜を考えるように提案しました。

店長は、
イワシを使って、イワシフライを提供することを発案し、即実行に移しました。
お客様には思った以上の支持を得て、人気になり常に売り切れ状態です。
皆で手書きのPOPを作成し、(冗談にも美味いとは言えませんが・・・笑)

「地元産、獲れたて、新鮮、手作り」をアピールし情報発信しています。
いまだに店長は、イワシの調理を職人になり切って遣っています。

これについては、マネジメントという観点から、店長がルーチンをやることは、原則禁止です。
しかし、遣って見せる。見本を見せると云う事からは重要なことです。
(何時までもやっていてはいけませんが)


彼のマネジメント力もリーダーシップも確実にアップしていると感じます。
今後、会社を引っ張る人になってもらえることでしょうし、
益々のご活躍を心からお祈りしています。


チェーンストアで既存店の売上高が前年比を割り込むことが当たり前になっている現状ですが、この店舗のように確実に力を付けてきている店舗も一部では有ります。

今までの遣り方の修正ではなく、
全く違った考え方、目標の設定。
そして、そこに向かった行動の違いが今後の結果に大差を付ける時代に入っているようです。


少子高齢化、商圏内人口の減少。
産業の空洞化など商業を取り巻く環境は、今後益々確実に厳しくなって行くことでしょう。


高付加価値やサービスの高度化。そして、生産性の向上。
同時進行で徐々にそして確実に改善を進めることが必要です。


そして、一番重要なことは、
「常に、お客様目線」の戦略の立案とそれを実現するオペレーションの確立です。

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