スーパーの業務改善入門

2009年02月04日

2009年度12月商戦・販売計画策定終了

2008年の12月商戦と年始商戦、どこのスーパーマーケットもそこそこの数値実績を残せたのではないでしょうか。

しかし、もうこれは過去の話です。今年も景気の低迷が続き、消費者心理は、益々買い控えの方向に傾きそうです。

企業業績もなかなか底を打ちそうにもありませんし、逆に、なお一層のリストラの嵐が吹き荒れそうな様相です。株式相場も為替も非常に不安定な状態です。

昨年の年末商戦は、景気低迷の影響で、消費者心理が買い控えや中食や内食傾向に進むなど、外部要因のおかげで一時的に恩恵を受けたスーパーマーケット業態。
今年の年末も、「柳の下の二匹目のどじょう」が見つかるでしょうか。これは、まず考えられません

ただ、どちらにしても、予測に時間をかけていてもしょうがありません。
私たちの仕事は、「基本を忠実」に、そして、「確実に進化」する売り場づくりが求められます。

昨年の年末年始商戦では、売り場づくりを工夫し、品揃えの充実と商品やサービス・レベルを向上させ、結果として、実績が良かったチームは、大いに喜んでいればよいのですが、逆に、売り場づくりや販売方法は代わり映えしない前年の繰り返しで、外部要因のおかげで数値が良かったチームは、今後、大きな試練が待ち受けているかもしれません。

1月は、多くの企業で「年末・年始商戦の反省」ということで、会議や反省会を行っています。

ところがこの反省会、本当に「反省会」で終わらせてしまっている会社があまりにも多くあるのには驚かされます。

サミットリテイリングセンターのクライアントで、販売計画も指導させていただいている企業は、毎年年明けの1月中にその年の年末年始商戦の販売計画書を作成し、8割方完成させます。

後は、10月から12月に掛けて最終の調整をすればいいだけです。
反省会のように、「データ」をただ残すのではなく、「データ」を「情報」に変えてファイリングするということです。

■ 今度の年末年始商戦は、どうする!!

ポイントは、「今年の年末はどんな売り場をつくるか」という思いで、計画書をつくります。そして、この計画書は、単なる販売計画書ではなく、「販売展開計画書」です。
数字合わせではなく、オペレーションまで加味した売り場づくりの計画書です。アクション・プランです。

検証はしますが、反省に多くの時間は使いません。

検証に時間を取る部分は、「どうしてそうなったか」というところです。
「もっとこうしたらいいんじゃないか・・・」
「今度は、こんなことに挑戦しよう・・・」
という、思いを込めた計画書に仕上げます。

データを残すだけなら、POSシステムのデータを効果的に加工し、使える帳票が出てくるようにプログラミングしておけば良いだけです。
(実際これが、殆ど出来ていないのですが・・・・・(笑))

このような手法で販売計画を立てることを2~3年繰り返せば、相当高度な展開計画書が出来上がります。
言うまでも無く、競合他社に負けない売り場が完成します。そして、結果として、売上や荒利益も向上します。


■ 定量データと定性データ

データには、大きく分けて、「定量データ」と「定性データ」があります。

定量データは、「量」すなわち数字で具体的に表せるデータのこと、一方、定性データは、「質」すなわち言葉や写真などで表すデータのことです。数値で表せないものといってもいいでしょう。

ここのところを理解しておけば、「実績データ」を加工して、「情報」として効果的に残すことが出来るでしょう。

チェーンストアの場合、担当者が他の店舗へ移動することがあります。そのような場合、新任の担当者が、前任の担当者の計画書を基に、確実に精度の高い売り場作りができるかは、この計画書にかかっています。

どちらにしても、計画書は、「具体的で分かりやすい」ことが重要です。


■ 抽象的な表現は禁止

計画書を作る場合、特に大切なことは、抽象的な表現を一切しないということです。
より具体的に、「次はどうする」という思いを形にしてしまうことです。

例えば、
「あまり売れなかった」では、何の意味もなしません。

  どうして売れなかったのか

   商品のグレードやサイズは・・・
   展開場所や方法に問題は無かったか・・・
   販促方法に問題は無かったか・・・・
   売価設定は、適切だったか・・・・
   販売数を伸ばすために、もっと出来ることは無かったか・・・

  などをより深く検証し、「今年はどうする」を決定します。

  「欠品した」も同じことです。

   何時欠品し、「品切れ」状態は、何日何時の時点であったか
   売り場のボリュームがあったら、「あと何個、何円」売れたか
   関連商品や代替商品に影響が無かったか

  などを検証し、「今年は、何個加算して発注するか」を決定します。

抽象的な表現をしてしまうと、見る人によって、判断が分かれ、役に立たなくなってしまいます。


■ 展開計画書の作成、活用手順

ここで紹介する計画書は、4枚のシートからなる展開計画書です。

①②の2枚は、『展開計画シート』です。
③④の2枚は、『検証・改善対策シート』です。

計画①② ⇒ 実行(実地検証) ⇒ 検証(計画)③④ ⇒ ファイリング のサイクルを繰り返します。

当然のことながら、2回目以降の同じイベントを確実にバージョンアップして企画実行します。


 ①売上予算等計画シート

  イベントや用途関連別にアイテムを決定し記入する。

  売上や荒利益を大きく左右する、「重点アイテム」と
  売り場に賑わいを与えるための「品揃えアイテム」とに分けて、
  考えることが重要です。

   a.重点商品、品揃え商品全部のアイテム(SKU)
   b.アイテム別、販売予定数量
   c.  〃  、売上予算
   d.  〃  、値入計画
   e.イベント別、合計売上予算
   f.  〃  、合計荒利益予算
   g.  〃  、前年伸長率
   e.販促計画・・・試食販売、推奨販売などの有無
   f.販促ツール・・・広告チラシ、統一POP、パネル、ビデオ、
     レシピー、リーフレットなどの有無
   

 ②売り場展開計画シート

  展開場所を、売り場のレイアウト図に設定し、具体的なアイテムと
  陳列場所をを落とし込む。

  限られたスペースで、如何に効果を出すかが、展開計画の勘所です。
  陳列位置やフェイシングで効果が変わります。


   a.売り場の平面図を作成
   b.イベントの展開場所を決定
   c.bの中に①の関連アイテムを単品別の売上予算や売り場のマグネットなど
     を勘案して、効果的に貼り付け記入する


 ③販売実績検証シート

 ①の計画(予算)と実績の定量データ検証を行なう。

  数字に表れてこない、課題や問題点を補うために、内容の大小は関係なく、
  次は、「品揃えを、アイテム(SKU)を、グレードを、数量を、・・・・どうする」
  というように具体的にコメントを入れましょう。



   a.アイテム別、販売実績数量、予算対比
   b.  〃  、売上高実績、予算対比
   c.  〃  、荒利益高実績、値入計画対比
   d.イベント別、合計売上高実績、予算対比
   e.  〃  、合計荒利益高実績、予算対比
   f.イベント全体の販売実績についてのコメント、具体的対策
   g.各アイテムの販売実績についてのコメント、具体的対策 
   h.次回チャレンジ項目・・・品揃え、提案方法など

 ④売り場展開写真シート

  実施した売り場の写真を貼り付ける。

  写真は、最高のデータです。多くても何の差し支えもありません。
  また、その時の現場で気付いたことを、内容の大小に関係なく、
  具体的にコメントを入れましょう。


   a.売り場全体の写真
   b.イベントコーナーの写真
   c.単品や関連陳列などの写真
   d.試食販売などの写真
   e.イベント全体の売り場づくりについてのコメント、具体的対策
   g.お客様の反応や意見
   h.各アイテム(SKU)についてのコメント、具体的対策 
   i.次回チャレンジ項目・・・売り場展開方法、販促ツールなど

  その他、POSデータの資料を出力して一緒にファイリングします。

   a.企画の販売期間、単品別・曜日別販売実績レポート 
     (金額順と数量順)

     ※POSのメーカーによりますが。「特定単品」などの名称で、
      企画商品の登録を事前にしておけば、1枚のシートに30から
      40SKUのデータが取れるものがあります。

   b.企画の販売期間、日別・ベストレポート
     (金額順と数量順)

POSデータの帳票にも、必要情報は積極的に書き込みましょう。

特に欠品などは、a.の帳票の対象箇所に具体的に書き込み、あといくら必要だったかを記入しておくと効果的です。

ファイリングは、クリアファイルを活用すると便利です。百均ショップでA4サイズの40Pのものを売っています。安くて重宝します。

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