スーパーの業務改善入門

2008年09月05日

現場最適化と情報システム

情報システムと言うと、現場の人は、どうしても難しく考えてしまいます。 簡単に言ってしまえば、スーパーマーケットの店舗運営をサポートする為のあくまでもツールのことです。
情報システム全体に対して、店舗支援のシステムは、会社運営の一部ですが、経営の核である店舗を最重点に強化することを最優先に考える必要があります。

収集した定量データや定性データを、活用しやすい情報に加工して、現場で効果的に使えるようにすることが重要です。

現場で必要とする情報が如何にスピードを持って提供され、現場が活用することができるか、そして、効果に結びつけることが出来るかが、重要なポイントです。
そして、店舗で日々のオペレーション上、一番大切な情報は、販売計画や発注そして、在庫管理のための情報でしょう。


現場で使うデータの活用性


例えば、在庫管理ですが、総額いくらというデータは、現場のオペレーション上では何の意味もありません。

勿論、会社運営としては、対象期間の粗利益やロスなどを確定して、営業実績の把握や管理などなくてはならないものです。
一方、現場のオペレーション上では、単品の在庫(特に量)が適正に管理されているかという事が非常に大切な事です。総額の在庫金額は、その改善活動の結果でしかありません。

データ管理され活性化した売り場は、売れる商品の在庫が欠品を起こさないように、十分に確保され、売り場でのフェイシングも適正に拡大されています。
そレとは逆に、売れない商品の在庫は、最低限度で管理されています。また、商品によっては、一定のルールの中で売り場から削除されていきます。これらのことが、一般的に言われる「売り場のメリハリ」といわれるところの本質です。

以上のことは、売り場効率だけではなく、人時売上高などの作業効率にも大きな関わりがあり、粗利益だけではなく、営業利益に大きく関わってきます。

現場の定量データ管理の核の部分は、この単品管理なのです。販売計画や鮮度管理、在庫管理、発注管理、そして、物流や人時管理などに関係してくる重要な部分です。


POSデータの効果的活用


店舗やバイヤーにとって、一番重要な定量データは、POSシステムから集計される販売実績データでしょう。特に、直近の1週間や、その日別の販売動向は、今後の販売量を予測する上で重要なデータになってきます。
当然、店舗においては、発注量の決定や売り場の陳列量、在庫量を調整する上で重要なデータです。

ところが、このようなデータが、現場でほとんど有効活用されていないのが現状です。POSシステムの導入からかなりの年月が経過していますが、効果的な活用が出来ている企業は、非常に少ないように思います。

原因は、いくつか考えられますが、主な事例として、
  1.データがあることを知らない
  2.データがあることは知っているが、使っていない
  3.データの具体的な活用方法の説明を受けていない
  4.データが使い物にならない
などがあります。

一言で言ってしまえば、2以外は、本部の情報システムや商品部などの担当者の怠慢です。

具体的に効果を発揮することの出来る情報の一例として、以下の図のような、単品別・日別・曜日別の販売実績があります。
日々の単品の販売実績を加工して、図表を作成します。


  品 名  週合計 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日
   A   207  23  20  18  45  30  33  38
   B    32   3   5   4   5   4   6   5
   C   509  80  74  71 120  68  78  88
   D   442  55  52  60  96  47  55  77

発注に関しては、販売計画や地域の行祭事、天気予報や競合店の販促活動などの定性データと、直近の販売動向を曜日別に定量データとして把握し、発注量を決定していくと、欠品を起こさないことや不要な在庫の削減に確実に繋がってきます。
また、平日の販売量や特売日や週末の販売量を把握して、量の決定を行なうだけでも効果は確実に見えてくると思います。
在庫管理に関しては、部門やカテゴリーによって異なりますが、生鮮部門では、曜日別の販売実績を確認しながら、適正在庫量を曜日別に決定します。

例えば、
  ABC分析のAランクの商品は、1.5~2.0日程度の在庫管理、
  B・Cランク上位の商品群は、1.5日程度、
  Cランク下位ないしZランクは、個別に3個とか5個など定数管理する
というように、在庫管理のための簡単なルールを決めてコントロールするといいでしょう。
尚、このときの在庫日数や個数については、開店時の在庫ということです。

その他、在庫が過剰な店舗や欠品やロスの多い売り場の改善策としても、効果を発揮します。
上記の図表を使用して、売り場で陳列量を測定し、対象商品の品名の横に測定数値量を記入します。
そうすると、
  売れる商品の陳列在庫が少なく補充頻度が高くなったり、欠品を起こしたり、
  また逆に、
  売れない商品の在庫が過剰であり、鮮度低下とロスに繋がる可能性が高いなど、
検証でき、簡単に改善策を講じられます。


“本部最適化”の仕組みから“店舗最適化”の仕組みへ


よくある事例として、現状のPOSシステムや情報システムを新しいものに変えて、立ち上げるとき、現場のスタッフとの話し合いが少なく、本部のシステム担当者とメーカーやベンダーとの間で仕組みが完成し、結果として現場の要望が反映されず、現場での導入効果がほとんど見られないようなことを良く目にします。

スーパーマーケットに限らず、小売業は、現場がコアですから、現場が如何に使いやすく、効果的で、結果的に現場と会社全体の生産性の向上に繋がるようなシステムに仕上げることを念頭に置くべきです。

最優先に考えるべきことは、現場のオペレーションです。


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