スーパーの営業戦略入門

2014年02月20日

消費税増税・対策の考え方と行動(2)

4月1日からの消費税に伴う、現場の対応(準備)は、お済だろうか?


各業界でも、競合他社の動向に関する情報収集や自社の準備と、担当者の方々は、忙しくされている事と考える。

また、現場レベルで押さえておかなければならないことは、4月に入ってからの競合他社や小売りの現場全体のリサーチを怠らないようにして頂きたい。
もうすでに、プライスカードやチラシ広告をそれに変更している企業も少なくない。
特に、前回の記事でもお話ししたように、お客様の視点をしっかり持って、POPの見易さや表示方法など、店舗従業員のお客様対応など、同業態内に限らず、他社をつぶさに観察して、良いものについては、柔軟に修正対応をすることをおすすめする。


そして、前回の記事でもお話ししたように、これらの対応作業は当然必要ではあるのだが、それが全てではないということを肝に銘じて頂きたい。


売場が、商品が、そして、サービスが、如何に進化し続けることが出来るか。そして、それらのことが、地域のお客様の支持に繋がっていくようにすることが、商売の基本行動である。
そのことを確実に念頭に置いて、行動をしていれば、消費税の増税に関わる一時的なリスクは、大した問題では無い。

マーケティングの知識が重要


期間限定で、販売しているような高級食材を使った定番品より割高なハンバーガーなどが、『アップ・セル』。
「今、キャンペーンで○○と○○をセットしてお買い上げいただくとお得ですよ!」というのが『クロス・セル』です。
要するに、単価をアップさせるためのマーケティング手法の一つです。

『売上をアップさせるたった3つの方法』は、
 1.購買客数を増やす
 2.購買単価を 〃
 3.購買頻度を 〃
です。


このアップ・セルやクロス・セルは、2の購買単価を増やすことに当たります。同じ客数でも、単価をアップすることが出来れば、売上アップに繋がってきます。

前回お話ししたように、何処でも販売されている、お茶や水などのペットボトル飲料などのコモディティについては、絶対価格を意識して、「他所はいくら。うちはいくら」の対応が求められる。


アップセル・・・値上げの仕掛け


しかし、その一方で、材料や製造方法にこだわったり、自社でしか出せない味の惣菜や弁当など(ノン・コモディティ)は、競合他社の価格を考えなくても、お客様が、その商品に対して価値を十分に感じて頂ければ、少し高い価格でも納得してお買い上げ頂けます。
これが、『アップセル』です。

また、これは、調味料や菓子などの加工食品にも、当てはまる。
製造自体は、メーカーであるが、地域で売っていないような、目新しくて、お客様に自信を持ってお勧めできる商品がそれです。

例えば、バレンタインデーなどでは、『義理』と『本命』では、同じチョコレートでもニーズがまったく違う。最近では、『友チョコ』や『自分チョコ』も大いに盛り上がりを見せている。これも同様である。
本命用や自分用は、アップセルを十分に狙える。


クロスセル・・・もう一品の仕掛け


一方『クロス・セル』は、バレンタインデーや母の日、父の日などのギフトの様に、「大切な人に、あげたい!」というニーズには、「少し奮発!」の意識がはたらく。この場合は、お客様の期待値を上行く品揃えが効果を生む可能性が高くなります。

「そうそう、こんなものが欲しかったんだ!」という、いわゆるウォンツ商品です。
逆に、期待値に届かない場合は、購買行動自体が無くなってしまう可能性もあります。


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また、普段買いでも、クックドゥなどの調味料と対象の野菜や肉、魚貝類とのクロスMDによるお買い得感の演出なども、クロス・セルとして、効果を発揮します。


マーケティングの実践が販売員の腕を磨く


この様に、理論を少しだけ理解して、色々なことにチャレンジすれば、売場は、自然と活性化して、お客様は、楽しいお買い物をすることが出来るようになります。

やること全てが成功するとは限りません。が、しかし、やったプロセスに対するスキルアップは、間違いなく確実なものとなります。

4月以降の動向を云々する前に、今から、確実な行動を興し、価格競争から抜け出すための努力を行いましょう。

しつこいようですが、お客様の視点にポイントをおいて、行動しましょう。


やれることは、無限にあります。


【関連記事を紹介】

消費税増税・対策の考え方と行動(1)http://www.summit-rc.com/blog/business/636/

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