スーパーの営業戦略入門

2010年12月26日

売上高をアップ:冬至の売場を考える

プロモーションとしては、小さなものですが、今回は冬至を考えてみたいと思います。

冬至とは、何なのか?
冬至は、何時なのか?
冬至は、何をする日なのか?
なぜ、南瓜と柚子なのか?
南瓜の調理の方法や柚子の使い方などはどうするのか?

などの疑問や課題を解決する。
いわれや調理の方法などを教育し、実際にお客様が行動を起こせるように、良い結果が出せるように、お手伝いをすることが、商品を提供する者の務めとして重要です。


マーケティングの基本は、
お客様の潜在ニーズに応え、顕在ニーズの提案をすることに有ります。
そのことが、
お客様の支持を得て、商品やサービスの販売に繋がり、売上アップ、特に荒利益のアップに繋がるのです。


お客様は、期待に応えるサービス(商品)、そして、期待を超えるサービス(商品)には、喜んでお金を払って頂けます。 お客様への『情報発信』の差が、お店の利益の差になります。
去年と同じことを繰り返すだけでは、売上高や荒利益高のアップには繋がりにくいと言えます。

売上を継続的にアップさせるためには、競合店と同じか『それ以上の新たな何か』の提案が必要です。


店舗(企業)間における、売場の出来栄えの差


冬至は、年間の行事としては、特別大きなイベントではありませんが、青果部門や惣菜部門、グロサリー部門、そして、南瓜や柚子などの単品の売上から考えれば、無視できません。
また、最近話題になることも多い「食育」などの観点から考えれば重要な日です。


夜の時間が一年中で一番長い日。(昼の時間が一番短い日)
南瓜(かぼちゃ)を食べる日。
柚子風呂に入る日。

など、
あなたの売り場では、お客様に対して、どの様な情報をお伝えしているでしょうか。
そして、どの様な商品、サービスを提供しているでしょうか。


冬至などのイベントは、店舗(企業)によって、売場の出来栄えには大きな差が見られます。
この販促活動の日々の取り組み内容の差が、年間の売上や荒利益の大きな差になるのです。


売上や荒利益を伸ばしにくい環境の中、今一度、冬至の販促活動全般を振り返り、今後確実に利益の拡大に繋がるように、 販売促進活動全般の確認や修正をして頂ければと思います。


POPの活用による情報発信


お客様に冬至の情報を細かくお伝えし、舌で味わうだけではなく、脳と心で楽しんで頂くような企画にしましょう。

【行事】
・二十四節気のひとつで、昼の時間が一年中で一番短く、夜が一番長い日。

【主な行動】
・冬至風呂(柚子湯)に入って無病息災を祈る。
・冬至かぼちゃを食べて金運を祈る。

【柚子湯に入る理由】
・冬至(とうじ)⇒ 湯につかって病を治す『湯治』にかけている
・柚子(ゆず)⇒『融通(ゆうずう)』が利くように
・美容 ⇒ 美肌効果
・冷え性、リュウマチ ⇒ 体を温め風邪を防止する

【かぼちゃを食べる理由】
・保存の利く野菜 ⇒ 冬至の時期の貴重な栄養源
・食育 ⇒ 健康、いわれなど
・風邪予防 ⇒ 冬場のビタミン類不足を解消

【料理といわれ】
 ・冬至粥(小豆粥)⇒ 小豆の赤が邪気を祓う
 ・いとこ煮(南瓜と小豆の煮物)⇒ 中風(脳卒中)にならない
 ・こんにゃく ⇒ 一年間に溜まった砂を払う
・運勢 ⇒ 冬至に「ん」の付く食べ物を食べると「運」が付く

などを、POPで解りやすく表現して、お客様にお伝えすると良いでしょう。


売上アップの基本


それでは、売上アップ、荒利益アップに繋がる方法を具体的に説明します。

売上が低迷している話をよく耳にしますが、売上を上げるには、

1.客数(購買)を増やす
2.客単価を増やす
3.来店(購買)頻度をふやす

ことが必要です。


理論上のことで、そんなことは解っているという声がすぐに聞こえてきそうですが、本当に解っているでしょうか。
私が、解っているかという意味は、皆さんのお店では、そのための行動を本当に取っているかということです

例えば、一つひとつのプロモーションの内容を深く研究することは、
客単価や来店(購買)頻度をふやすことに大きく関係します。


「客単価を増やす」ことに関しては、
 ・南瓜の付加価値が高い品種の売り込み
 ・ブロックやスライスする
 ・素材としてではなく、惣菜にして付加価値を上げて販売する
 ・新たな商品の提供や提案によって、あと一品の購買に繋げる
などがあります。

「来店(購買)頻度をふやす」ことに関しては、
 ・日頃から簡単便利感を出して、期待値を上げる
 ・  〃 美味しい惣菜を提供する
 ・  〃 健康に気遣う提案を行う

などの活動によって、あの店行けば「何かが有るだろう」と、お客様に『期待される店』になるということが考えられます。

また、このようなことが、売場で度々経験することが出来れば、結果として、徐々に来店客数(購買)を増やすことに繋がるのです。


具体的な売り場展開方法


対象アイテムとしては、

1.青果部門の南瓜と柚子の販売

 ・南瓜  玉、1/2、1/4、ブロック、スライス
 ・柚子  1個(バラ)、2個、徳用袋、風呂用専用袋
 ・こだわり南瓜(品種、産地、有機栽培など)
 ・ 〃  柚子(実生種、 〃 、 〃  など)
 ・商品名に「ん」の付く野菜

2.惣菜売り場の南瓜や柚子を使った総菜の販売

 ・和風煮物    ・いとこ煮
 ・天ぷら        ・コロッケ
 ・パンプキンスープ  ・グラタン
 ・冬至弁当

3.グロサリーの小豆や南瓜、柚子関連商品の販売。

 ・小豆、小豆水煮  ・出しなどの調味料
 ・スープ、シチュー
 ・柚子茶、柚子湯、柚子胡椒
 
4.スイーツ関係

 ・プリン、タルト

などが主なものでしょう。


売場の展開としては、

1.青果部門・・・第一マグネットでのフェイシング拡大

 ・南瓜のフェイシング拡大メニュー提案
 ・柚子のフェイシング拡大
 ・「ん」の付く野菜の集合陳列
 ・調味料、関連商品の関連陳列
 ・レシピー(写真付、カラー)とリーフレットの設置
 ・こだわり南京(柚子)の付加価値を伝えるPOP
 ・「いわれ」などのPOPの掲示
 ・南瓜や柚子の試食、食べ比べ

2.グロサリー部門・・・エンド

 ・関連商品の集合陳列

3.惣菜部門・・・冷蔵平ケース、平台など

 ・揚げ物の集合陳列
 ・要冷惣菜の 〃
 ・「いわれ」などのPOPの掲示
 ・南瓜や柚子を使ったアイテムの試食(特に南瓜)


尚、メニュー提案や惣菜の調理については、クックパッドやキッコーマン・レシピーなどのホームページを参考にされることをお薦めします。


今回は、冬至について説明させて頂きましたが、全ての販促計画で共通して言えることです。
1年間の販売企画の確認をもう一度行ってみてください。

まだまた拾いきれていない、大きな売上や荒利益が隠れているかもしれません。

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