スーパーの営業戦略入門

2010年07月05日

売上を上げる、売場戦略法

売上を上げるための方法は、
簡単に言ってしまえば、
理論上3つだけです。


売上高 = 購買客数 × 平均購入頻度 × 平均客単価
(購買客数 × 客単価)

          ※客単価=一客買上げ点数×一品単価

ですから、

1つ目は、ベースにある購買客数を増やすこと、
2つ目は、その顧客の日々の来店頻度を上げること、
そして、
3つ目は、来店客の一回当たりの客単価を上げることです。


客数アップのための集客手段としては、
競合他社が多く存在する以上、
『魅力的な』新聞折り込みチラシをまくことや、
『使いたくなるような』クーポンを配ること
店内告知POPなども重要です。


そして、来店頻度を増すためには、
来店したお客様が、
「また来たい」と感じて頂ける売場づくりや
親切で丁寧な『温かい接客』。
誠実さを感じさせる身だしなみやクリンリネス。
そして、『飽きさせない』売場の仕掛けなどが重要でしょう。


客単価のアップについては、
安さの打ち出しも重要な要素であることは間違いないのですが、
情報発信のある売場作りは、
買う側の利益と売り側の利益の拡大、
楽しく仕事をして、
楽しく買い物ができる
『Win-Win』(お互いが勝つ、納得する)
を実現するために今後特に重要です。


売場においての商品政策においては、

 1.安さを訴える
 2.既存の商品の新しい提案をする
 3.新しい商品を仕入れて売る

といったポイントを押さえることが特に重要でしょう。



■ 安く売る  


安く売ること、
そして、そのための努力は商売の基本中の基本です。

特に、コモディティ化(一般大衆化)してしまっている商品は、
お客様の頭の中に、
カップヌードルは、キューピーマヨネーズは、トイレットペーパーは、
というように、
その各々の商品の『相場』がすでにインプットされています。

その相場(期待売価)に対して、
同じか下であることが望ましいでしょう。

安く売るには、大きく3つの方法が考えられます。


(1)ただ安くする

   基本的には、やってはいけない方法です。
   ただの安売りは、その場限りの売上の確保になってしまい、
   身のない収穫になってします。
   営業利益ベースで考えれば大きなマイナスになることも考えられます。


(2)原価を下げる、経費を下げる

   ベンダーとの交渉で、
   商品原価を下げることは、仕入れ担当者の責務です。

   こちら側の優位性を利用して、
   頭ごなしに原価を下げるということではなく、
   お互いのいろいろな条件の見直しで、協力できる方法を探ります。

   また、少し高度になってきますが、
   人件費や水道光熱費、販売促進費などの経費の使い方を見直し、
   削減できた経費(お金)の分で商品を安く提供するという、
   本来商業者が努力するべき基本の形がこの方法です。

   そのために業務改善の活動があります。


(3)戦略的低価格戦略

   競合他社に対して、
   自社(店、部門)の強みを出せる部門(商品)を重点的に設定し、
   低価格での販売戦略を立てて実行するというものです。

   また、より具体的には、
   日替わりや週替わりで、アイテムを設定して、
   その商品の価格を徹底して安くアピールして販売します。

   このときは、
   支持率の高いアイテムを設定することがポイントです。


(4)(2)と(3)のミックス戦略

   (2)が習慣的に実行可能になり、
   (3)とのミックスを行うことができれば、
   より確実に効果は出しやすくなります。

   安さが、確実にお客様に伝わり、買い上げ点数が確実に増加します。




■ 既存の商品の新しい提案をする


今店内で販売している商品の価格を単純に下げるのではなく、
機能的な部分を添加して、品揃えを強化したり、
食べ方や使い方などを提案して、
お客様に付加価値を感じて頂き、
販売量を伸ばすというものです。


(1)食べきりサイズの品揃え


   少子高齢化や、核家族などは現実のことです。

   「あと一品欲しい」、「もう一寸欲しい」、
   「新鮮なうちに使い切りたい」、
   「無駄なお金は使いたくない」
   などといったニーズは、ここ数年確実に大きくなってきています。


   今までの常識のままで商品化をしていては、
   大きなニーズを取りこぼします。
   
   肉の50gから80g程度のパック、
   魚の切り身の1切れパック、
   白菜の1/8カット、 
   刺し身やお惣菜の小パック、
   豆腐や納豆の小パックなど、
   店舗全体での取り組みが重要であり、
   相当数のSKU拡大によるサービスアップになります。


(2)「こんな食べ方(使い方)もありますよ」と提案する

   誰でも知っているようなコモディティ商品に、
   新しい食べ方(使い方)の提案をして、
   レシピーなどの価値情報を付加して販売する方法です。
   
   お客様の8割近くの方が、食事のメニューを売場で決定しています。

   このことを考えれば、提案をしないのはもったいないことです。

   例えば、レタスですが、
   売場で「サラダにどうぞ・・・」というようなPOPをよく目にします。
   この情報は、何の価値もなくお客さまにとって役にも立ちません。
   
   少なくとも、変わり種のサラダや
   パリパリとした食感をだす調理テクニックなどなければいけません。

   また、スープやしゃぶしゃぶ、チャーハンといったような
   料理を作るためのレシピーとそのリーフレットは必須です。

   このような提案があれば、
   特別の安売りでなくても商品は売れていきます。
   売場で、試食会などのデモンストレーションがあれば特に効果的です。


(3)商品の価値の説明

   特別に特徴のある商品の場合、
   「この商品は、こんなに素晴らしいですよ」ということを、
   POPなどで情報発信をすることです。

   しつこい説明ではなく、端的に伝えることです。

   お客様は、
   端に機能的な面ばかりで、買う商品を決めているのではありません。

   心と右脳に訴えかけるような、
   情緒的、感性的に納得できれば、
   買うというお客様がたくさんいらっしゃいます。


   また、このようなときも、
   商品自体の『美味しさ』を理解していただく上で、
   試食販売は、特に効果的です。

   これといった決め付けではなく、
   発想を前向きに考えれば、
   提案の仕方は、無数にあると言っていいでしょう。

   いろいろな提案を試してみましょう。




■ 新しい商品を売る


(1)今までに販売してこなかった商品

   仕入れ担当者が、
   「こんな物は、この地域では売れない」
   「こんな高い物は、うちの店では売れない」
   と決めつけてしまい、顧客の選択肢を縮めてしまいます。

   味や鮮度にこだわり、
   良い物は、積極的に育てて売り込むことが大切です。


   お客様の目の付きやすい展開場所を設定し、
   POPや試飲や試食、
   そして、お勧めの提案を強化して行えば、
   すべてが成功するとは限りませんが、
   かなりの確率で買っていただけるはずです。


   ただ並べているだけで、
   売れないという判断を付けていては、どんな商品でも育ちません。
 

(2)メーカーの新規開発商品

   新商品の導入は、
   メーカーやベンダーの情報を密にとり、
   出来るだけ早期の導入展開を心がけます。

   遅くなれば、コモディティ化して、
   価格競争に巻き込まれ、低値入れ販売の可能性が高くなります


(3)自社の新規開拓商品

   惣菜や刺し身、カットフルーツなどを中心に、
   自社で開拓できる商品はたくさんあります。
   
   商品の味や鮮度にこだわるのは当然ですが、
   季節や原料の産地(特定産地や地場ものなど)の価値を
   高めることが可能です。

   そして何より、お客様は『簡単・便利』を体感できます。

   手間をかけた分、お客様の期待を超えた分、
   高位の値入も可能となります。



これらのことは、基本中の基本のことですが、
中小の企業では、意外と徹底されていません。


お客様は、値段だけで買い物をする店を決めているのではありません。


今までと同じ事を続けているだけのお店、
出来ない理由を並べているお店には、将来はありません。



難しいことではありません。

リーダーにパラダイム(物の見方、捉え方)の転換が必要なだけです。

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