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店と顧客を結ぶコミュニケーション
6月6日の日経流通新聞の「底流を読む」の欄で
“「無償」が高める集客力」”という記事が載っていました。
長野県伊那市にある洋菓子の製造小売り店の話です。
2005年から「夢ケーキ」というイベントで
大量のケーキを無料で贈っているというものです。
イベントを始めたきっかけは、
近隣で高校生が、ナタで父親を殺す事件が発生したことだそうです。
「家族で夢を語りながら仲よくケーキを食べる生活があれば、
こんな事件は起こらない」と考えた同店の専務が、
「夢ケーキ」を贈るイベントを始めたそうです。
小学生以下の子どもたちとその親に、
自分の夢を絵と文章で送ってもらい、
その夢を形にしたケーキを作り店内に展示する。
来店した親子はそれを見、自分向けのケーキを持って帰る。
何と素晴らしいことでしょう・・・。
また、このイベントは、無料。そして、無償であるとのことです。
一つひとつ違うケーキは、製造に大変な手間と時間がかかるそうです。
ちなみに商品にすれば、1個4000円から5000円くらいするそうですから、
コストもばかにならないとのこと。
「それでも自分の夢を形にしたケーキに目を輝かせる子どもたちを見ると、スタッフ一同やって良かったと思う」とおっしゃっています。
私のクライアントにも、
カブト虫の幼虫を来店客に無料で配っているお店があります。
オスとメスの幼虫をパックに入れています。
この店は、高級スーパーということもあり、
来店客のなかに子どもさんの数は多くありません。
幼虫を持ち帰るのは、
ほとんどが大人のお客様だそうです。
孫と仲よくカブト虫を育てるおじいちゃんやおばあちゃん。
自分の幼少のころの思い出を懐かしみながら、
小さな子供と飼育セットを買いに行くお父さん。
いろいろな光景が浮かんできます。
この店は、大型の飼育場を店舗内につくり飼育しています。
大変な時間と手間だと思います。
“カブト虫の育て方”をお付けしている。
お店が、
「お客様に喜んでいただく」ことだけを考えて、
毎年行っている恒例のサービスです。
店舗と顧客のコミュニケーションづくり、
そして、
顧客とその家族の方々とのコミュニケーションを高めていくこと、
小さな思い出づくりのお手伝い。
地域に根ざした、
見返りを求めない
地域の一員としてのご奉仕です。
洋菓子店では、
2004年に1億円だった売り上げが、
2009年には、3億5千万円まで拡大しているそうです。
売上が上がった要因は、
このイベントだけでのことではなく、
顧客に向き合い、
日々、味を良くするための努力、
サービスの質を上げるための努力
を続けた結果でしょう。
そして何より、
このお店の心意気が目には見えなくても、
「誠実さ」や「温かさ」が、
お客様に伝わっているからでしょう。
商品を売ることだけではなく、
地域とのコミュニケーションづくりも大事であると同時に、
その行動の結果が来店客数アップに繋がります。
お店の「信頼」と「信用」もこのあたりから築きあげられるものではないでしょうか。
売り上げが芳しくないことを、
経済状況や地域の競合店などの外部のせいにせず、
顧客に対して、
こちらからコミュニケーションに努め、
主体的に行動を起こすことが大切ではないでしょうか。
2010年06月10日 12:26
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