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パラダイム(物の見方や捉え方)を変える 1

お客様に納得してお買い物をしていただき、
そして、
どれだけ満足していただくことが出来るか、
この繰り返しが、
顧客生涯価値(利益)を大きくすることに繫がります。

そして、会社が、より効率的に利益を拡大するためには、
買い手側のものの見かたではなく、
顧客中心のパラダイムへの転換が必要です。

「売り手が良いと思っているもの」ではなく、
「顧客が良いと思っているもの」を提供することです。

客観的に顧客中心に考えられるか、
そして、そのための行動できるか、
その行動の大小が、会社の発展に大きな差を生みます。

アメリカの百貨店ノードストロームの南カリフォルニア担当副社長だった、
ベッツィ・サンダース女史が書いた「サービスが伝説になる時」(ダイヤモンド社)の中で、
「今日の経営者の95%は正しいことを言っている。
しかし実行しているのは5%にすぎない」

と言っています。

実際の現場で起こっている幾つかの事例を交えながら、具体的に説明します。

■ 売上高や荒利益率ではなく営業利益を念頭において、営業プロセスを設計する

大多数のスーパーマーケット各社の現場での管理数値が、売上高と荒利益に集中しています。
売上高予算と荒利益予算、そしてその対前年比を日々眺めています。

社員の実績評価もここで評価される企業が大勢を占めているように思います。

実際、儲かっているかいないかではなく、
また、営業利益が拡大したか、赤字が改善したかではなく

です。

実際このようなやり方や考え方で、今後、会社の維持継続は大丈夫でしょうか。

サミットリテイリングセンターでは、クライアント企業に部門別の損益表を作成していただいています。店舗レベルの損益管理では、不十分だからです。

どの部門が良く儲かっているのか。
どの部門が赤字なのか。
理解している会社とそうでない会社は、努力の方向が全く変わってきます。

荒利益率が高いということが、儲かる(黒字)ということには、必ずしも繫がりません。
逆に、荒利益率は低くても、かなりの営業利益を上げている部門もあります。

また、部門特性によって、黒字幅の大小は違います。

一般的に、営業利益率が高いのは、グローサリーやデイリー(日配)部門で、
逆に、インストア・ベーカリーや惣菜部門は、低い部門で赤字の場合も多くあります。
この理由として、加工などの手間が掛からず、投入人時が少なくて済む加工食品部門と、商品化のために多くの人時投入を必要とする部門との違いから来るものです。

業務プロセスを見直し、ムダが削減できれば、結果として、低値入れ(低荒利)戦略が可能となります。
本来、顧客からしたら、値入が低いということは、有難いことです。
そして、商売の基本として、お客様に「良い商品を少しでもお安く提供する」という事が商売人の努めであるべきです。

商品や人時などの管理レベルが低いため、各種のロスや経費がかさばり、結果的に荒利益率を高くしなければならないという積み上げ式の考え方では、会社の将来は期待できません。

また、強みの出せる(出すべき)部門を徹底的に強化し、競合他社に対して、差別化戦略をとることが重要です。


部門別の営業利益管理を行い、現場のプロセス全般を見直すことが、顧客や従業員の満足に繫がります。


■ 牛乳は入荷日の次の日に、値引き販売する

お客様は、一日でも新しい新鮮な牛乳を買い求めたい。

店側は、出来るだけ見切り(値引き)販売をしたくない。

店では、毎朝、「先入れ・先出し」といって、売り場の商品を入れ替えています。
新しいものを奥からつめて、昨日までの残品を手前に並べます。

開店後、お客様は、日付を確認して、奥の方の牛乳に手を伸ばし、買い物籠に入れる。

こうして、「鼬ごっこ」を日々繰り返します。
残念ながらババを引いてしまうお客様もいらっしゃいます。

サミットリテイリングセンターのクライアントの殆どの店舗では、
昨日の残り物の牛乳は、朝一番に10円引きか1割引シールを貼って、値引き販売しています。

「先入れ・先出し」は、しません。

古いものは、客導線の左右どちらか奥につめて陳列し、その手前に新しいものを陳列します。
昨日の残品は、1日古いだけで安く買えるので、「お買い得」ということで、朝のうちに殆ど売れてしまいます。

「先入れ・先出し」の作業は、お客様がやってくれます。

作業もスピードアップするし、結果的に値引き幅も少なくて済みます。
発注精度がアップするにつれ、荒利益率も確実にアップします。

まさに、Win & Win(自分も勝ち、相手も勝つ、お互いが納得する意味)です。


■ 「牛肉・豚肉・鶏肉」を売るのではなく、「焼肉」など、メニューを売る

お客様は、「今晩のおかずは、何にしようかしら・・・」と思って買い物にこられます。
そして、8割近くのお客様は、今晩のメニューを決めないで来店されています。
(お店に来店して、決めている)

売る側(店側)は、相変わらず、牛肉、豚肉、鶏肉、ミンチと素材をただ売っています。
素材で提供するわけだから、「売価は、いくらだったら売れるか・・・」という発想になります。

例えば、
「このいい素材を、是非一度、このメニューでお召し上がりください」とお奨めすれば、トライアルするお客様がいらっしゃいます。
美味しそうで、簡単に出来て、となれば、その数は確実に増えます。

「調味料は、これがお奨めです」
「香辛料は・・・」
「薬味は・・・」
「レシピーをお持ち帰りください」

「メニューを考えなくていい」という、買うときの便利さと、
「美味しい」という、食べるときの満足を提供するという発想で、
売り場作りをすれば、必ずしも特売でなくても商品は売れていきます。

お客様は、使ったとき、食べたときに満足すれば、
「良い買い物をした」と納得していただけます。嬉しくなります。

「あの店で買ってよかった」となるのです。

また、「焼肉は夏の定番」ですが、
焼肉の提案売り場になっていないお店が沢山あります。

牛肉も豚肉も、鶏肉も、そして、ラム肉、ウインナーというように、
焼肉をテーマにして売り場を作れば、とても賑やかな「楽しい売り場」になります。
大パックも、小パックも、セット物も、たれ掛けも、たれ付けもあります。

育ち盛りの子供のいる家族用のお買い得パック
子供にこっそりチョッといいお肉のパック。
メタボのお父さん用のヘルシーパック。

お奨めのもみだれ、付けだれ、香辛料。
野菜をカットした盛り合わせ、チシャやゴマの葉。
一緒にいただく、キムチやナムルのセット、わかめスープの素。

などなど、提案することは、いくらでもあります。

ここまで来れば、売価は殆ど関係なく、適正値入れで売れていきます。

お店は、「サービス」を売っているのです。
お店は、「美味しかった」「楽しかった」の満足を提供するのです。


■ 「売れないもの」を見切るのではなく「買わないもの」を見切る

お客様は、商品を買うとき、少しでも綺麗で、新鮮で、色目がよく、大きくて、形の良い物を選びます。

例えば、大根が100本並んでいたら、りんごが100個並んでいたら、その中の1番良い物を買いたいのです。

「良い買い物をした」と思いたいのです。

売る側は、「これくらいならまだ売れる」と思っています。
(少し小ぶりでも、小傷があっても、少し形が悪くても・・・)

売り場で補充のとき、担当者は、「先入れ先出し」をして、お客様が欲しがらない売れ残りを新しく補充した商品の上に乗せます。

補充のとき、少し小ぶりのもの、小傷があるもの、色目の悪いものなどを取り除くと、売り場全体のグレードが常に保たれ、販売量が増えるのに・・・。
取り除いたものは、見切り処理し、即時売り切る。鮮度がよければ、少しの値引きで売れてしまいす。
場合によっては、カットフルーツなどに出来れば、値上げして売れるかもしれません。

お客様は、どういうものを買いたいかを考えれば、行動は変えられるはずです。
考え方、やり方を少し変えるだけで、荒利益高や売上高は確実にアップします。

生鮮部門の場合、値引きなどの商品ロスは必ず発生します。
どれくらいに抑えることができるかが、担当者のスキルです。

商品ロスをゼロにしようと思うと、チャンス・ロス(機会ロス)が発生します。
「チャンス・ロス=お客様の不満の第一」です。

どちらを優先するかは、言うまでもありません。

   ・・・つづく・・・

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