バックルーム在庫の削減
皆さんは、在庫と聞くとどのようなイメージをもたれるでしょうか。
私は、商売が儲からなくなる一番の原因だと考えています。
事実、現場をのぞくと、儲かっていないお店のほとんどが不良在庫を沢山抱えています。ここでいう不良在庫を抱えるとは、売れそうにもない商品(質)や数量的に過剰な商品(量)などが、売り場やバックルームに溢れている状態のことです。
コスト意識(知識)が低い企業は、どうしても、商品原価などの目先の直接的なコストを考えることしか出来ません。
問題点は、在庫を無駄に持つことにより、そのための関連コストが、多大に掛かってしまうということです。不良在庫に関わるオペレーションコストは、多大です。
在庫量が適正で、在庫管理が適切になされていれば、生産性が上がり、営業利益が出やすい体質になります。
■過剰在庫は、生産性を下げる大きな要因
発注が適正であれば、納品された商品は、
納入⇒振分け⇒移動⇒陳列⇒お買い上げ(お客様)、
というように単純な一方通行で、スムーズな流れになるため、無駄が無く生産性が上がります。
ところが、発注量やタイミングが適切でなければ、バックルームに商品が停滞して、不必要な在庫の山になってしまいます。
結果的に、
1.商品ロスの発生・・・値引きロス、廃棄ロス、汚損・破損
2.作業ロスの発生・・・移動、保管、引き上げ、商品ロスの処理作業
3.広い保管場所の確保
4.作業効率の低下・・・発注、補充
5.売り場のマンネリ化・・・新商品導入の遅れ
などを生み、商品の流れが複雑になってしまい生産性は低下します。
儲けを出すための行動とは、粗利益率を上げるという単純ことではありません。あくまでも、営業利益を上げる活動のことです。商品を多少安く買い付けたとしても、作業効率が低下すれば、人件費やその他の無駄な経費が上がり、すぐに帳消しになってしまいます。
■不良在庫を増やす要因と対策
在庫が増えてしまうのは、店長や部門責任者の管理・指導不足であるわけですが、
具体的原因としては、
1.発注担当者のスキル不足により発注精度が低い
2.定番の発注ロットが大きい(ケース単位)
3.特売の発注量が多すぎる(実績データ管理不足)
4.売り場面積が狭い
5.単品管理がほとんどされていない
6.フェイシングの拡縮がされていない
7.ベンダーの納品回数が少ない
8.ルートセールス任せ(確認、指示不足)
9.程度の低い販売計画
10.本部の無計画な割り当て
などが考えられます。
対策としては、単純に上記の問題点を一つ一つ改善するということになるわけですが、担当者のスキルアップと物流システム、情報システムの見直しも必要になってくると考えます。
例えば、物流システムですが、ベンダーの納品回数などは、必ずしも少なければ、コストが下がるとは限りません。また、店舗の人員体制から考えても、毎日納品のほうが、日々の作業量が平準化されるというすいメリットもあります。
その他、重要な課題として、POSデータ管理の問題があります。先進企業をのぞき、殆んどの中小企業において、POSのデータがあまり活用されていません。POSの単品別・日別・曜日別販売データなどは、発注制度を上げる上で重要なツールです。データの整備と発注担当者の知識の習得とその活用によるスキルアップが不可欠です。
■目標は、バックルーム在庫ゼロ
バックルームの在庫は、限りなくゼロが望ましいと思います。無駄な在庫は、移動や保管や一連の管理に多くの時間と経費を必要とします。
バックルーム在庫がゼロになれば、多くのメリットがあります。
主なメリットとしては、
1.在庫の保管場所が狭くてすむ
2.カートやストック棚などの什器が少なくてすむ
3.移動や先入れ先出しなどの管理作業とその必要人時が減る
4.在庫確認時間が減り、発注精度が上がり、欠品も減る
5.在庫分が現金化する
6.全体的に効率が上がり、作業計画、稼動計画が組みやすくなる
7.余った人時を推奨販売や商品開発などの付加価値業務に当てられる
8.余った人時を社員の教育訓練に当てられる
など多くの効果が期待できます。
在庫管理に関しては、今までの延長ではなく、ゼロからの発想をしてみましょう。
商品も人も多くなるとロスの出る確率が確実に増します。
納品されたものが、長時間停滞することなく売り場に出てしまう。
そして、何があろうと売り場で売り切ってしまう。(バックルーム戻し無し)
この仕組みを完成する目的を持てば、努力の方向がハッキリするはずです。
目新しい物、買いたくなってしまう物、買いたくなる提案のある店なのか、それとも変化がなく、見慣れた商品ばかりが只何の提案もなく陳列されている店なのか、
あなたの、お店は、どちらですか・・・。
2008年06月10日 17:19
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