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営業利益が低ければ、やり方が間違っているということ

営業利益率(額)が低いということは、「やり方を変える必要がある」ということを示唆しています。
単純に売上を上げれば、儲かるとは限りません。粗利益率も高ければ、必ずしも儲かるわけではありません。
無理して売上を上げると、粗利益高が低下してしまう場合も少なくありません。また、粗利益率のアップばかりに気が入ってしまうと、目標の売上が達成できなかったりします。結果的に、目標の粗利益額が達成できません。
現場で働いている責任者の方々は、多かれ少なかれ経験していることではないでしょうか。

競争の時代に、確実に生き残るためには、先ず、安定して営業利益が出る体質になるように業務全般(作業と仕組み)の改善をしなければなりません。ここでいう体質改善とは、少し売上が低下しても、営業利益が確実に残る会社(店舗)であるということです。
体力任せに、売上アップだけの目標では、長続きしません。すぐ息切れしてしまいます。場合よっては、心筋梗塞で倒れてしまいます。そうならないために、考え方(意識)と行動を変えなければなりません。

「攻めの経営」とか「守りの経営」とかよくいわれますが、継続と発展を続ける経営をする以上、今後特に、確実に利益の出る体質にしていかなければ、攻めの経営は出来ません。攻めと守りは、表裏一体です。

■なぜ売上高伸長率と粗利益率が目標になってしまうのか?

一言で言ってしまうと、勉強不足です。過去の高度成長期の方法を只繰り返しているだけということです。極一部の優良企業を除き、「既存店の売上が伸びない」ことは、スーパーやコンビニエンス・ストアでは、当たり前になってきています。

今後、中長期的に外部環境を考えた時、中小スーパーマーケット企業の売上は、確実に下がる可能性が極めて高い状況にあります。イオングループやセブン&アイ・ホールディングスその他の大手資本企業による、RSCやNSCなどのショッピングセンターやGMS、SM、ドラッグストアなどの進出による競争の更なる激化と、少子高齢化という構造的な要因がこれから益々進行することが考えられます。
また最近特に、原材料価格の高騰による原価の高等や、各種商品の値上げによる、消費者の買い控えなども重要な問題になってきています。

このような外部環境の中、今までのやり方(営業戦略や戦術)では、営業利益が出ない仕組みの企業が多くあります。

     ※RSC(リージョナル・ショッピング・センター)、GMS(総合スーパー)、SM(スーパー・マーケット)

■売上と粗利益の改善の要所

売上は伸びないといいましたが、伸びる可能性が全くないわけでは有りません。今一度現場を細かく確認してみましょう。改善できることが、沢山あると思います。

売上や粗利益を上げるためには、売り場作りを変えることが先決です。簡単に要点だけを抑えるならば、

商品・・・鮮度管理(向上)を徹底して行なう(パート社員任せではなく、部門責任者が)
売れてないものを処分し、新しい商品と入れ替える
売価・・・良く売れる、誰もが知っている商品は、競合店並に安い売価を打ち出す
企画・・・季節催事やその他企画催事などの販促企画を毎週計画し、鮮度感のある
飽きない売り場作りを行なう
展開・・・お客様に、推奨販売や試食販売、POPやレシピー、チラシなどで
価値ある情報(メッセージ)を確実に伝え、納得して買ってもらえるようにする
 
など、売り場で確認してみてください。ポイントを押さえ、確実に実行すれば、売上や粗利益が上向くはずです。

そして、商品管理として、
 
 (1)売れ筋商品や売り込み商品は ・・・ 欠品を起こさない
 (2)品揃え商品は ・・・ 無駄な在庫は一切持たない
 (3)鮮度管理は   ・・・ 売れ行きが悪い商品は、早期に見切り売る
               ※売るときではなく、使うときの鮮度を重視する

これらのことが、実行されているか現場で確認し、実行されていなければ、スピードをもって改善しなければなりません。
また、粗利益に関しては、率を優先してしまうと、販売戦術や売り場作りにおいて、行動が制限されてしまいます。基本はあくまでも、額を優先して目標設定(売上×値入れ率)すべきです。
お客様に喜んでいただける方向は、基本的に薄利多売です。その為に、徹底して無駄を省く必要があるのです。

■営業利益率を改善するには・・・

営業利益の改善を考える上で重要になってくる数字が幾つかあります。売上高と粗利益高、そして、人件費や地代家賃、水道光熱費などの売上に対して比率の大きい経費です。
数年前は、売上の上昇が管理の甘い運営(高コスト、低生産性)をカバーしてくれましたが、売上自体が伸びないのですから、運営全般にメスを入れていかなければなりません。

営業利益の改善の目的は、短期では、とにかく現状の営業利益の増益が目標となってくる場合もあるでしょうが、中・長期では、「お客様に、良い物を少しでもお安く提供する」ための「仕組みづくり」です。
私は、数多くの企業のオペレーションを見てきましたが、SM企業の多くに、まだまだ多くの改善余地が有ると思います。正確には、メスが全く入っていないという表現が正しいかもしれません。また、逆に言うと、よくなる可能性が沢山隠れていると思います。可能性の大小は、企業規模の大小ではありません。

■生産性や生産効率を上げるには

現在、中小SM企業に早急に求められるのは、生産性の向上です。競争の時代に生き残ろうとするとき、生産性の低い企業は、真っ先に淘汰されます。売上高が高いことや、粗利益率の高いことは何の保障にもなりません。損益分岐点が高い状態になってしまっている原因を一つひとつ解決しなければなりません。

■人の生産性を上げる

経費の中で一番高いのは、人件費です。特にスーパーマーケットでは、群を抜いています。ですから、この経費の生産性が高くなれば、営業利益は大きく改善します。
但し、ここで念のため確認しておかなければならない点があります。社員の給与水準が低いというのでは、根本的な問題解決にはならないことを理解しておかなければなりません。社員の給与が低ければ、短期的には労働分配率は、低い状態になります。
しかし、スキルが低い烏合の衆では、売上や粗利益を確保することは出来ません。また、労働劣化を招きます。

基本的に、社員一人ひとりのスキルアップやチーム力アップが、高い生産性を生みます。
人件費を単なる経費と考えてしまうと、削るという発想になってしまいます。投資と考えれば、如何に効果的に効率よく使うかという発想に変わります。

パート社員の時給が高いことが問題ではありません。逆にそれが低くても、作業の訓練が出来ていなくて、作業処理能力が低く単位時間当たりの処理量が少なければ、高い時給ということになります。

意識の高いパート社員には、積極的に質の高い高位の業務を経験させ、能力アップをはかるほうが、結果的に時給は上がっても、全体的な生産性アップに繋がります。

<人時売上高を高める>

人時売上高は、店舗や部門の作業の単位時間当たりの処理能力を現します。1人時当たり、どれくらい作業を処理できているか、処理作業を如何に短時間で終了させるかです。お客様にとって役に立たない、どうでも良い作業は、止めてしまいます。その分、販売計画や発注などの主体業務に人時を多く投入します。

また、社員の頭数も多くなれば、商品と同じようにロスが発生します。限られた、少ない人時で、段取り良く作業を処理できるかが重要になってきます。
にスーパーマーケットは、加工作業や補充作業に多くの人時を必要とします。
 要点としては、
                <例えば・・・>
  作業割当表     ・・・ 誰が何を事前に決定しておく
  作業指示書     ・・・ 何をどの順番に・・・
  優先順位の設定  ・・・ 何から先にやるのか
  方法・手順の見直し・・・ カートを使って、腰の高さで・・・
              作業導線を短く・・・
  動作の見直し   ・・・ 両手を使って
  道具の見直し   ・・・ 作業工数の減らせる・楽な・・・
 などが必要です。

また、これらのことを成し遂げるために、チームの年間、月間、日々の人時予算(目標予算)を設定し、その中で日々改善を行なうようにしていくと、改善点とそのアイデア(方法)も出やすくなります。

<人時生産性を高める>

人時生産性は、「付加価値生産性」です。投入した人時に対して、如何に多くの粗利益高を稼ぐかという考え方をします。人時売上高を上げるには、大きく二通りの考え方があります。
一つ目は、粗利益率は低くても、作業の処理量(売上高)を多くして上げる方法です。
そして、二つ目は、作業の処理量(売上高)は少なくても、投入した人時に見合う高い粗利益高を上げるということです。

例えば、グロッサリー部門は、粗利益率は低くても、少人時で売上を上げます。また、惣菜部門は、人時売上高は低いですが、粗利益率が高い部門です。

<事例 1>
         人時売上高   粗利益率   人時生産性
    グロッサリー  30,000円 × 20% = 6,000円
    惣   菜     8,000円 × 40% = 3,200円

企業によって数値の上下にぶれはありますが、概ねこのようなイメージです。

上の事例のように、グロッサリー部門の人時生産性は相対的に高くなります。逆に惣菜部門の人時売上高は、低くなっています。一番の理由は、加工食品や日用雑貨の部門は、生鮮部門のように、切付けや盛付け、包装・値付けというような、加工作業やそれに付随した一連の作業が無いからです。

簡単に言ってしまえば、グロッサリー部門は、生産性を重視し、確実に営業利益を出し、惣菜部門は、競合他社に対して独自性を強化し、他にまねの出来ない商品づくりや売り場づくりを行ないます。

特にスーパーマーケット(食品スーパー)では、生鮮部門の良し悪しが、勝負を決定するといっても過言手はありません。「青果部門や水産部門の鮮度と価格」、「精肉部門の品質と品揃え」というように、ハッキリした、戦略を内(社内)にも、外(お客様)にも打ち出すことが重要です。

今一度、現状(現場)の実地検証を行い分析し、新たな戦略と戦術を打ち出し、新たな目標と手段・方法の計画をたて、オペレーション全般を見直しましょう。そして、期限を切って行動しましょう。

すべては、「お客様のため」にです。正しい理念を持てば、正しくて、効率のよい方法が簡単に見つかるはずです。さあ、先ずは、出来るところから即行動しましょう。

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